俳優の森七菜が1日、都内で行われたNetflix映画「パレード」(2月29日より世界独占配信)の配信記念試写会イベントに、主演の長澤まさみ、共演の坂口健太郎、メガホンをとった藤井道人監督とともに出席した。
本作は、旅立ってしまった人の目線で、遺された人への想いを描く愛の物語。瓦礫が打ち上げられた海辺で目を覚ました美奈子(長澤)が、離ればなれになった1人息子の良を捜す道中で青年・アキラ(坂口)や元ヤクザの勝利(横浜流星)らと出会い、自分が亡くなったことを知る。未練を残してこの世を去ったため、まだ“その先”に行けないのだと…。現実を受け止めきれない美奈子だったが、月に1度、死者たちが集い、それぞれの会いたかった人を探す“パレード”に参加したことを機に各々の心に触れていく……というストーリー。
元女子高校生のナナ役を演じる森は、冒頭のあいさつを求められると「別れは恐ろしいものなんですけど、その裏に何がはらんでいるか、悲しいだけじゃないって思って、自分がそれと出会ったときに恐ろしすぎて見るべきものだったものを見逃してしまわないように、冷静に目の前にいる人と対峙できるような気がして、私はこの映画を見て目の前の人をちゃんと見て大切にしようと思いました」としみじみと語り、「そんな思いがたくさんの方に伝わるといいなと思っています」とアピール。
そして、各自あいさつを終えて着席形式でトークセッションを行う流れとなったが、用意されていた椅子の高さが高すぎたため、森が着席に苦戦すると、それを見た坂口はすかさず手助けをし、森に合った高さに調整してあげるなど、紳士的な一面を覗かせて会場を和ませ、その様子をカメラに収めていたカメラマンに、森は「あまり撮らないでください(笑)」と照れ笑いを浮かべた。
改めて、視聴者から「大切な人を思い出す温かな作品」「嗚咽するほど泣いた」との声が届いていることが紹介されると、森は「7人の7つのストーリーがあるんですけど、きっと『泣いた』とか『温かかった』って言ってくれた人にも1つの映画になるようなストーリーがあって、それを7人の誰かに投影して見てくれているんだと思うと、そういう人たちの話を聞いてみたいなと思いました」とうれしそうに告白。
続けて「もし自分に悔いることとかがあっても、その先でその人(死者)もいろんな形で自分のことを思ってくれているのかもなと思うと、今まで片思いだった世界が、急に両思いでつなげてくれた気がして、それは自分の人生にも温かみを与えてくれた部分だったので、この映画と出会えてよかったなと思います」と笑顔を見せた。
また、本作の内容にちなみ、“今1番会いたい人”を尋ねられた森は「ダイアンの津田(篤宏)さんに会いたくて…。ずっと会いたいなって。どこかで見守ってくれていたらと思っています」と願望を吐露して笑わせ、「すごく好きなんです。本当に元気をもらっているので、直接『ゴイゴイスー』をしてほしいなってずっと思っています」と目を輝かせた。
◆取材・文=風間直人