母が他界してまもなく、黒柳さんから連絡をいただき、母の思い出話をたくさん聞かせていただきました。そのとき、「今度、こういうドラマがあるのでぜひ参加してください」とお話がありました。
そこでは役柄については何もお聞きせず、「ぜひやらせてください」とお返事したのですが、それから1カ月ほどして事務所を通じて“野際陽子役”のオファーをいただき、本当にビックリしました。
最初、マネージャーから「どうですか?」と打診されたのですが、逆に「どう思いますか?」と聞いてしまったぐらい戸惑いましたね(笑)。このタイミングで出演してよいのだろうかと、とても悩みました。
不思議なことに、私には時折、天国の母が語りかけてくるような感覚を覚える瞬間があるのですが、実はこのお話をいただいたときも、「ママの役を演じて欲しいと言われているけど、どうしよう?」と仏壇の前で母に話しかけたんです。
すると、「やって!」と天国から声が聞こえたような気が、確かにしたんです…。それからは徐々に、例え一部でも母の人生を「生きる」ことができるのは、とても貴重でありがたいことだなと、うれしく思うようになりました。
母が最後に出演した「やすらぎの郷」と同じ枠の帯ドラマということで、母がこの“縁”をつないでくれたのかな、とも…。ここ最近、台本を読んだり、髪を切ったりなど準備を始めた私のことを、母は天国から「あらあら…!」と笑って見ているのではないかなと思います。
アナウンサーからスタートした母は、美しい言葉や発音をとても意識していたので、演じるにあたって、そこに一番気を使わなくてはと思っています。また、若い頃の母と、私の記憶の中にある母とはイメージが違うところもありますし、自分の中で試行錯誤しながらそのバランスを探っているところです。
清野さんは、お会いする前にお写真で拝見していたのですが、髪型とメークでこんなに似るのかなとビックリするぐらい、徹子さんに似ていらっしゃるなと思っていました。先ほど初めてお会いしたら、キリッとしたお顔立ちも徹子さんにそっくりでいらっしゃるなと感じました。
撮影はこれからですが、私の中の100%、いえ120%の力を出して精一杯演じていきたいですね。「トットちゃん!」という作品の世界に入って、古き良き“あの時代”を表現していきたいと思います
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