水川あさみ“道上”&櫻井翔“清家”の関係性は「遠距離恋愛をしているような感じ」橋本Pが語るドラマの注目ポイント<笑うマトリョーシカ>

2024/06/27 11:00 配信

ドラマ インタビュー

説得力を持たせるため、スーツは「オーダーメイドを監督にリクエスト」


――いよいよ放送目前、撮影も進んでいるかと思いますが、演出面でこだわったところはどんなところでしょうか。

メインキャストである道上、鈴木、清家の衣裳や髪型には、特にこだわりました。道上については、原作ではビジュアル面はあまり描かれておらず、離婚歴があり子供がいるという設定もオリジナルでつけさせていただいたので、忙しくてファッションには多少無頓着だけど身だしなみはきちんとしている人、探究心を持って真実を求める人間をビジュアル的にどう表現するかは監督と水川さんともたくさん話をしました。

現役の記者の方への取材で得た情報を水川さんに伝えたところ、サコッシュのような小さい鞄を下げてそこに記者グッズを入れている感じがいいのではないかとアイデアをいただいて、実際に取り入れています。

清家と鈴木は、政治家と秘書としての説得力と、とにかくこのお2人の佇まいがカッコよく見えるためのビジュアル作りには特にこだわりたく、オーダーメイドを監督にリクエストしました。

それぞれ採寸して生地の色味もたくさんの候補から厳選してスーツを作りました。中でも清家は、政治家としての格もありながら親しみやすさも表現できるように検討を重ね、青の色味の生地を選びました。

また、自然体で日本の政治家にはあまりいないタイプにしたいという監督のこだわりから、前髪も空気感を大事にしたふんわり下ろす髪型にしています。

――清家たちの過去を描いた回想シーンもたくさん出てきますが、映像面で工夫したことなどはありますか。

このドラマは、回想シーンがすごく難しいんです(笑)。鈴木が思う回想と、道上が清家の自叙伝「悲願」を読んで想像したイメージの回想が混在するので、そこで視聴者が混乱しないようにしなければならないなと。例えば映像の色味もほんのり印象が変わるようにカメラテストをしてみんなで相談しながら決めました。

それとは別に、学生時代の清家、鈴木、佐々木を演じる青木柚さん、西山潤さん、濱尾ノリタカさんもすごく熱心で、回想シーンの3人が、大人になった3人にちゃんとリンクできるように、それぞれ櫻井さん、玉山さん、渡辺大さんの撮影現場に見学に来て演じ方を研究したり、話を聞いたりしていました。学生時代の3人にもぜひ注目していただきたいです。

――組閣や会見など、本作ならではの大掛かりなシーンも多いと思います。撮影の裏話を教えてください。

櫻井さんのクランクインが第1話の会見のシーンでした。国会中継や会見のニュースなどをみていると、下を向いて原稿を読む方が多い印象ですが、清家は原稿を全て頭に入れ、記者や聴衆に目線を送りながらスピーチをしてほしいというのが監督から櫻井さんへのオーダー。かつナチュラルに気持ちがこもって見えるように演じてほしいと。

櫻井さんはそれにしっかり応えてくださり、素晴らしい会見シーンが撮れました。こんな大臣が実際にいたら、国民はみんな好きになっちゃうんじゃないかな、と思いました(笑)。

櫻井さんはさまざまな政治家の方を見て研究した上で、清家の独特な話し方やリズム、表情を生み出してくださいました。

1話のあるシーンで、道上が清家と会ってみたら「AIみたい」と例えるのですが、それがどういう意味なのか、そして会見シーンで見せる政治家としてのナチュラルな姿と、鈴木と一緒にいる時の顔、道上と2人だけで話す時にふっと見せる今までにない表情、櫻井さんが計算して作ってきてくださった清家の表情の違いにぜひご注目いただきたいです。