杉野遥亮“宮本”の「患者の思いに寄り添う」気持ちが判断を誤らせたのか<マウンテンドクター>

2024/08/08 11:49 配信

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宇田の登山を後押しする宮本は、親身になって相談にも乗った


心臓に疾患を抱える宇田(螢雪次朗)は、宮本(杉野)が山岳診療科で初めて担当した患者だった。亡くなった妻が登山好きで、書き残した景色を見るために険しい山にもチャレンジしようとしている。

妻が見た景色を自分も見ることで、思い出を共有することができ、心臓疾患のある宇田にとって登山は易しいものではないが、「妻とのデート」としてそれを達成しようと計画していた。

検査の結果もクリアし、宮本から登山のアドバイスをもらったりして、万全の準備をして臨んだ宇田。登っている途中で、仲の良い若い夫婦に出会い、自分たち夫婦と重ねてほほ笑ましく、その様子を見ていたりした。

その晩、多くの登山者と同じように宇田も自分で組み立てたテントで眠っていたが、熊が現れ、テントを襲撃した。

心臓に疾患のある宇田がケガをした女性を背負って山荘まで


襲撃されたのは宇田のテントではなく、その若い夫婦のほう。夫は腕を負傷し、妻は頭部を負傷。周囲にたくさんの人たちがテントを張っていたが、熊の襲撃から逃れようとして、もう誰もいなかった。

電話で宮本の指示を仰ぐが、それでも血が止まらず、宇田は頭部をケガした女性を自分が背負って山荘まで降りることを決意。

宇田の頑張りで、山荘にいた小宮山(八嶋)と宮本の治療で若夫婦は助かり、明け方にレスキューヘリによって無事に病院に搬送された。

「僕が、宇田さんを死なせた…」


熊の襲撃という不測の事態を切り抜け、「山での死亡者0」の目標が維持できた。と思っていたが、「ちょっと疲れただけ。休ませてもらおうかな」と言って、イスから立ち上がった宇田が倒れてしまった。

ヘリで搬送中に「先生、ありがとう」と宮本に感謝の気持ちを伝え、意識を失った宇田。病院で治療をするが宇田の意識は戻ることはなかった。そして「死亡者0」の目標もかなわず。

屋上でうなだれる宮本に江森(大森南朋)が「心室頻拍を起こした原因として心サルコイドーシスの疑いがあった」と指摘し、「それに気づけていたとしたら」と厳しい言葉を突きつける。そして「確証バイアスに陥っていたんじゃないか」とも。

宇田の気持ちに寄り添い、親身になって登山の夢を叶えさせてあげようとした宮本の優しい気持ちがアダになったのではないか、と。

「僕が、宇田さんを死なせた…」

SNSには「悲痛な叫びが頭から離れない」「ラストが衝撃的な展開だった」「若い医師が通る道なのかな…」と、今回の悲しい出来事とラストの宮本の姿への反響が多く見られた。

◆文=ザテレビジョンドラマ部