柄本佑が吉高由里子の演技を絶賛「もうシルエットから何からまるっきり紫式部で、本当にすごいなって」<光る君へ>

「光る君へ」第27回より(C)NHK

いろんな意見があるのはいいことだと思っています


――「光る君へ」は注目度が高く、非常に評判もいいですが、「道長が実際よりもいい人に描かれ過ぎだ」という声も多くあります。そういった声も踏まえて、実際に演じていて「光る君へ」における道長像をどのように考えていますか?

僕らは台本に書かれているものを演じているだけなのですが、最初の打ち合わせのときに、「いわゆる一般的な道長像ではない、新たな道長像を描きたい」ということを言われました。

それと、大石さんが書いてこられる台本の強度というか、“「光る君へ」の中での道長はこういう人である”というような説得力がしっかりとあるので、もうそこは最初から信頼して、100パーセント台本に書かれている道長をやる、という気持ちでスタートしています。なので、そこに関しては何の疑いもないし、いろんな意見があるのはいいことだと思っています。

公卿たちや花山院(本郷奏多)が詠んだ歌を彰子のびょうぶに貼って持っていって、そこに一条天皇(塩野瑛久)が来て「うわ、こいつ…」みたいな場面(第27回、7/14放送)とかも、だいぶえげつないことをやっているらしいんです(笑)。

だけど、道長はとにかく家族の幸せを願っているんですよね。自分の家族を政には絶対に関わらせたくないと思っていたのに、彰子を入内させることになってしまったからには、とにかく娘に幸せになってほしいんです。

本人は必死に幸せを願ってやっているのですが、そういう部分が外から見たら「えぐいことやっているね」というふうにとらえられるのかなと。ただ、今は終盤までの台本をもらっていますが、道長はまだまだ悩んでいるので(笑)。とにかく家族の幸せと、まひろとの「民のために良き政をする」という約束を果たすためにまい進していますね。

――第27回ではまひろが道長との子を身ごもり出産しました。この展開にはかなり驚いた視聴者も多かったですが、柄本さんは台本で知ったときに驚きがあったのでしょうか? それとも“やはりそうなのか”という感じだったのでしょうか?

“やはりそうなのか”とは思いませんでした(笑)。でも、現場で“そうなりそう”みたいなことは大石さんたちや風の便りなどで聞いていたんです。

いざなったときには、非常に大事な決断ですし、“まさかそんな”っていう思いでしたが、このチームの覚悟みたいなものを感じずにはいられなかったですね。それを決断したこのチームがより好きになりました。