<ドラマアカデミー賞>最優秀作品賞は「アンメット」『みんなでブラッシュアップしていける奇跡的な現場でした』(米田孝P)

2024/08/23 14:30 配信

ドラマ インタビュー

第120回ドラマアカデミー賞で「アンメット ある脳外科医の日記」が最優秀作品賞を受賞(C)カンテレ

「アンメット ある脳外科医の日記」が最優秀作品賞

2024年4~6月放送ドラマを対象に開催した第120回ザテレビジョン・ドラマアカデミー賞の受賞者を発表中。最優秀作品賞は、杉咲花が主演した「アンメット ある脳外科医の日記」(フジテレビ系)が受賞。杉咲花の主演女優賞、若葉竜也の助演男優賞など計6部門を制覇した。

同作は、子鹿ゆずる大槻閑人による漫画を基に、“記憶障害の脳外科医”という前代未聞の主人公・川内ミヤビ(杉咲)が、目の前の患者を全力で救い、自分自身も再生していく新たな医療ヒューマンドラマ。「温かく優しい雰囲気で進む物語に涙が止まらなかった」「記憶喪失設定が大渋滞だった春ドラマで一番リアリティーがあった」「映像が美しく細部までこだわっていた」と絶賛された。

番組を手掛けた米田孝プロデューサーは「作品賞をはじめ6部門の受賞、ありがとうございます」と感謝すると、「『アンメット―』はいったんテレビ屋の固定観念を捨て、セリフの取捨選択、映像のアングル、音楽の使い方などを見直し、ドラマの可能性をとことん追求した挑戦作でした」と胸を張った。

「“命を救われた患者たちがどう生きていくか”に目が向けられる作品にしたい」

原作は元脳外科医である子鹿ゆずる氏が手掛け、医療従事者のみならず各方面から称賛される人気漫画。ドラマ化した理由は、「原作漫画で描かれるミヤビの記憶障害という状況はこれまでの医療ドラマにないもので、葛藤する彼女の心情を描くことで新しい作品にできると思いました」と明かした。

ドラマ化に当たっては「原作通り、“医療で命を救われた患者たちがその先をどう生きていくのか”ということに目が向けられる作品にしたい」とゴールを掲げた。「そのテーマをキャスト、スタッフの全員で共有できていたので、時には意見を戦わせながらも、同じゴールに向かっていけました」と道のりを振り返った。

杉咲、若葉はそれぞれ個人賞も受賞。米田プロデューサーは「杉咲花さん、若葉竜也さんとは初めて組みましたが、2人とも現場に立つ姿は、もう役柄本人。ミヤビと三瓶にしか見えず、役への深過ぎるアプローチにも驚かされました。後半は他のキャストからもどんどんアイデアが出て、みんなで『クオリティーの高いものを作ろう』とブラッシュアップしていける奇跡的な現場でしたね」と、撮影の裏側を語った。