“ジュリー”の愛称で親しまれる沢田研二。歌手として「勝手にしやがれ」や「時の過ぎゆくままに」など数多くのヒット曲をリリースし、俳優としてもさまざまな映画やドラマに出演し続ける不世出のスターだ。BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、8月29日(木)より「ジュリー・フェスティバル 沢田研二特集」と題して、沢田研二主演映画4作品や、2023年に開催されたバースデーライブ「沢田研二 LIVE2022-2023『まだまだ一生懸命』」を一挙放送。そこで今回は、“ジュリー作品”の内容や見どころを紹介していく。
8月29日(木)夜8時からは、沢田研二ソロデビュー後の主演第1作目となる映画「炎の肖像」(1974年公開)を放送。沢田と劇中歌手・二郎の像をダブらせた異色の青春映画だ。
ロック歌手・ジュリーのライブ映像を随所に挟みながら、彼を主人公に秋吉久美子や原田美枝子ら演じる数々の女性たちとのラブストーリーも描かれる。
本作は、マスコミを通して作り上げられ、ファンが抱く“虚像”と、暴力や衝動への志向性を秘めた“実像”を併せ持つ一人のスターの姿を通して、その日常や疎外感が垣間見える点が見どころ。ドキュメンタリータッチの演出や、当時アイドル的な人気を誇っていた沢田が荒っぽい言葉を使って喧嘩シーンを演じたことでも話題に。
自由を追い求める孤独な青年の怒りや悲しみの姿を見事に演じた沢田の演技力に注目だ。
8月30日(金)夜8時からは、沢田自ら映画化を熱望し、孤高のテロリストを描いた「ときめきに死す」(1984年公開)を放送。丸山健二の小説をもとに、原作に存在しないキャラクターやロケーションが登場したことで注目を集めた。
本作では、謎の組織からある男の身の回りの世話をするよう依頼された大倉洋介(杉浦直樹)が、北海道の田舎町で工藤直也(沢田研二)という若い男と出会う。組織からの指示に従い、別荘で工藤の世話をする大倉。自ら会話しようとせず黙々とただトレーニングに励むだけの偏屈な工藤との生活、そして工藤の正体に関する質問も一切してはいけないというルールの元、ただひたすら命令に従う生活を送る。
しかし実は工藤は暗殺者で、指令を待っていた。そんなある日、組織から梢ひろみ(樋口可南子)という女性が派遣されてくる。しだいに梢は工藤を愛するようになるが、その後、工藤に暗殺指令が下り、犯行の予定地へ向かうのだった――。
男2人、女1人の奇妙な共同生活を延々と描くという異色なテーマ性と、誰もが予想できない“衝撃のラストシーン”が本作最大の見どころとなる。また、ミステリアスな雰囲気を醸す沢田研二に、樋口可南子の妖艶さも魅力の一つだ。
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