8月31日(土)夜9時からは、沢田研二と菅田将暉がW主演を務める「キネマの神様」(2021年公開)を放送。本作は松竹映画100周年記念作品として、作家・原田マハの同名小説を山田洋次監督が映画化。“映画の神様”を信じる男の人生と、彼を取り巻く愛や友情、そして家族を描いた物語となっている。
主人公は、ギャンブルと酒好きが講じて借金を抱え、家族にも見放されてしまったゴウ。そんな彼は、かつて助監督として働いており、映画監督を夢見ていたのだった。
本作では、現在のゴウが数十年前の“映画を愛していた青春時代”を回想する形で進んでいき、映画への愛はもちろん、友情や家族への愛を同時に描いた、温かみのある作品に仕上がっている。ギャンブルに入り浸ったゴウを沢田研二が、そして若き日のゴウを菅田将暉が演じたことで話題を呼んだ。また、ゴウの妻である淑子を宮本信子と永野芽郁がそれぞれ演じている。
実はゴウ役については、もともとコメディアンの志村けんさんが演じることになっていた。しかし、コロナ禍に帰らぬ人となってしまい、かつて志村さんと同じ事務所の先輩・後輩として親交が深かった沢田が、その遺志を継いでゴウ役を務めることに。作中で、自らの個性を出しつつも志村さんらしさも表現している沢田の演技は“神業”と評されている。
9月2日(月)夜8時からは、4Kデジタル完全修復版(※2K放送)として映画「夢二」(1991年公開)を放送。憂いのある美人画で知られ、大正ロマンを象徴する画家・竹久夢二を沢田が演じる本作は、夢二と浮名を流した女性たちとのロマンスを中心に描かれる。
夢二の最愛の人・彦乃(宮崎萬純)や、夢二の美人画のモデルとも言われているお葉(広田レオナ)など実在した人物も登場し、夢か現実か判断しにくいような、見る者を幽玄の世界に引き込む作風となっている。本作で沢田は、喜怒哀楽の感情が目まぐるしく変わっていく夢二を熱演。芸術家さながらに、感じるままに筆を取り“今を生きる”夢二を、時にコミカルに、時につややかに演じ好評を博した。
監督は「夢二」を含む「ツィゴイネルワイゼン」「陽炎座」といった“大正浪漫三部作”を制作し、その映像美で多くの若手監督に影響を与えた鈴木清順監督。“映画に理屈は不要だ”という彼独自の信念を持っており、鈴木監督の独特の色彩感覚も見どころの一つだ。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)