杉野遥亮“歩”、自身の正義に従った行動が向井康二“真吾”の信頼を失くす結果に<マウンテンドクター>

2024/09/01 21:43 配信

ドラマ レビュー

「マウンテンドクター」第8話より(C)カンテレ

登山を実現するために手術を決断


MMTの山岳外来にやってきた圭吾を診察した江森(大森南朋)は、カテーテル手術をすれば運動も可能だと真吾と凛に伝える。“手術”に不安を感じる凛だったが、圭吾本人の意思を尊重し、手術を決断。

手術後、山でもしものことがあったらという不安もあった凛だったが、歩からMMTの医師が帯同することを提案されたことが背中を押してくれた。

手術は無事成功。学童登山には歩と玲が帯同することになる。歩は、江森に「自分がそばにいれば、何があっても圭吾くんを守れるので。それが山岳医としての務めですから」と自信たっぷりに話し、真吾にも「俺たちMMTがついているから何も心配いらないよ」と伝えていたが、圭吾は病院に搬送されてしまう。

「マウンテンドクター」第8話より(C)カンテレ


歩が離れている時に、児童たちが蜂に刺される事態が発生


圭吾は山に登り、友達と一緒にカブトムシを捕まえたりして楽しんでいたが、蜂が出現し、何人かの児童が刺されてしまった。圭吾もその中の一人。アナフィラキシーを発症し、呼吸困難になって倒れてしまった。

こういう事態に備えてのMMTの帯同だったが、その時、歩は別の登山者からのけがをしたという連絡を受けて、圭吾らを玲に任せて離れてしまっていた。

玲が歩に電話をし、指示を受けてアドレナリンの投与を行う応急処置をする。そして、歩が戻るのと同時にへりが到着し、圭吾は病院へ搬送された。

学童の登山にMMTとして帯同する歩と玲(C)カンテレ


歩の行動に失望した真吾「お前は圭吾を見捨てたんだ!」


処置は無事に終わり、圭吾は真吾にカブトムシをいっぱい見つけられて楽しかったと話し、「ありがとう。山登りできたの、お父さんのおかげだから」と感謝の気持ちを伝える。

「離れて暮らしていても、俺はお前のお父さんだ」と、圭吾の言葉に喜ぶ真吾だったが、店に帰ろうとして病室を出た後、歩が別の患者と話をしていて、圭吾が蜂に刺された時、そばにいなかったことを知ってしまった。

歩の言葉を信用して圭吾に山登りをさせた真吾にとって、それは大きな裏切りだった。歩は「ごめん。そっちの対応に追われて。圭吾くんのそばを離れていなければ、もっと早く処置できたのに」と謝るが、真吾の怒りはおさまらず、「もう少しで死ぬところだったんだぞ! お前は圭吾を見捨てたんだ!」という言葉をぶつけた。

医師としての正論と山岳医としての正論


江森が「なぜ現場を離れた? お前の仕事は子どもたちの帯同だったはずだ」と歩を問い詰めると、「助けを求めている登山者がいたとしても放っておけと言うんですか? 自分はそんな医師にはなりたくありません」と返答。

“患者に寄り添える医師”というのが歩の考えであり、歩の“正義”でもある。しかし、江森は「医師としては正論だが、山岳医としては必ずしもそうじゃない」とバッサリと切り捨て、「お前の正義がいずれ誰かの身を滅ぼすかもしれないということを忘れるな」と忠告した。

医師として正しいことをしたと思っている歩だが、真吾と江森から厳しい言葉を投げられてしまった。歩にとって、これもまた大きな壁となりそうだ。江森の言葉、真吾の父親としての思いを理解して、その壁を乗り越えることができるのか注目したい。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

「マウンテンドクター」第8話より(C)カンテレ