聡一からの連絡を受け、歩は助けるために山荘を出ようとするが、江森に「お前が行く必要はない。救助隊に任せておけ」と止められてしまう。最初は「何のことですか?」とごまかそうとしていたが、江森に見抜かれていることを察して「もしものことがあったら」と救助に向かうことを伝えた。
江森に「お前がやろうとしてるのは“医療行為”ではなく“救助行為”だ。それは医師の仕事じゃない」と言われるが、歩は「プライベートで来ているので好きにさせてください」と制止を振り切り、聡一を捜しに行ってしまった。
なんとか聡一を見つけることができた歩だったが、救助隊に連絡しようとしたらケータイが圏外。
山荘で電話を受けた時に地図に丸印をつけていたので、江森はそれに気付いていると思うが、高山病と低体温症を併発している可能性があると判断した歩は、聡一に肩を貸して、標高を下げるために少し下山することを決めた。
途中、歩が足を捻挫し、山荘まで行くのを断念してテントを張って朝まで待つことにした。
その頃、救助隊員は聡一が遭難した場所にやってきたが、荷物はあるが人は見つからず、その日の救助作業はそれ以上行わず、引き返すことに。
朝になり、救助隊のヘリがやってきて2人は病院に搬送された。搬送中のヘリの中で救助隊の豪徳寺(平山祐介)が無線連絡を受け、何やら深刻そうな表情になっている。
無事に2人は病院に送り届けられたが、豪徳寺は歩に「救助は救助隊に任せてもらいたかった。そうすれば二次遭難が発生することも、航空隊が向かう必要もなかった」と伝えた。
豪徳寺が歩に苦言を呈したのには理由があった。別の遭難現場からも救助要請が入ったが、歩らの救助があったため、そちらの救助に遅れが出てしまっていた。
これに関して、院長の周子(檀れい)も歩をかばうことができず、江森は「遭難者を救いに行ったはずのお前が遭難者そのものになったんだぞ。それでも山岳医か!」と厳しい言葉をぶつけた。
歩の行動は、江森からの叱責どころではない大事へと発展。SNSで大炎上することとなった。
聡一がMMTの医師に助けてもらい、ヘリで搬送されたことを歩との笑顔の写真と共に投稿。これに対して、“ヘリのタクシー化”と非難され、そのせいで別の遭難現場の患者は意識不明のままだということを患者の家族が投稿し、MMTへの非難が拡大していった。
週刊誌にも記事が掲載され、まさにMMT存続の危機といった状況に。江森は「全てお前が突っ走った結果だ」と言い、学童登山の時の忠告「お前の正義がいずれ誰かの身を滅ぼす」を再び持ち出した。
正義感の強い歩だけに、今回のことはかなりへこんでいる様子。そんな時、真吾(向井康二)から電話で店に呼び出された。真吾は思っていることをストレートに歩にぶつけ、歩もそれを素直に受け入れて謝罪。
院長室に呼び出された歩は、救助が遅れた患者は意識を回復し、順調に回復に向かっていることを聞かされた。周子から「山岳医療に最も大切なのは、医療技術でも登山技術でもない。判断力かもしれない」と、江森からも「救える命と救えない命、そして救わない命。それをいかに迅速に見極めるかだ」と教えられる。
SNSの炎上は沈静化に向かいそうだが、MMTの取りつぶしを願う人たちからの攻撃はまだまだ続きそうだ。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
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