――黒島さん演じる真珠の魅力は?
柳楽:僕は映画を観た人が、真珠のことをどう感じるのかがすごく興味あります。真珠が思っていることや感じていることって共感できるのかなという疑問はあります。公開されてからの反響が楽しみですね。
中川:アラタが劇中で言っていましたが、会うたびにどれが本当の顔なんだろう…というのは思いました。心の1番奥底にあるブラックホールみたいな得体の知れない感情。見えないからこそ見てみたいというところなんですかね。ちょっと見えたところで、どうしてもその先を見たくなっちゃうみたいな。
――アラタと真珠の関係性をどう読み解くかによって物語の見え方が変わる作品ですが、お2人にとって人と信頼関係を築く上で大切にしている要素は何ですか?
柳楽:僕は尊敬ですね。たまに短期留学で海外に行かせてもらうことがあるのですが、何も知らないところからコミュニケーションを築いていくじゃないですか。そのとき少しでも「この人尊敬できるかも」という部分が垣間見えると安心するんです。アラタは真珠をリスペクトしているわけではないので、そこからどう気持ちが変わっていくかを考えるのも面白いと思います。
中川:所詮人のことなんて分からないという前提を持つことですかね。だからこそ相手がどう思っているのかを想像しなければ、不快にさせてしまうかもしれません。僕はあまり決めつけないことを大切にしています。
取材・文/磯部正和
撮影/梁瀬玉実
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)