キム・スヒョンが主演を務める韓流ドラマシリーズ「太陽を抱く月」(Huluにて配信中)。2012年に全20話が放送された大人気ドラマシリーズである同作は、朝鮮王朝の架空の時代に繰り広げられる宮中ラブストーリーを描いた作品。第12話では王であるイ・フォン(キム・スヒョン)がウォル(ハン・ガイン)との絆を深めつつ、暗躍する王妃ユン・ボギョン(キム・ミンソ)らの計略に巻き込まれていく。(以下、ネタバレを含みます)
人形劇を見る2人を遠くから見て、失意の底に落ちるヤンミョングン(チョン・イル)。逃げるようにその場をあとにする途中、出会ったキム・ジェウン(ソン・ジェリム)と言葉を交わす際も「お前も王様側の人間だな」と言い残して立ち去ってしまう。
人形劇を見終わったあとに現実味がないと酷評するイ・フォンと、「人だけに――あり得る話です」と違った解釈を語るウォル。人と人の間に起こる話は論理で説明はできないという彼女に、イ・フォンは逃れるように話を変える。だが別れ際、「どうせ夜に会えるな」と言うイ・フォンに対して、すでに役目を辞したウォルは「今夜私は――おそばに行けません」と声にならない声を心のなかでこぼすのだった。
この一幕に心残りが思い出されたのか、あいさつをしてから去るとしてチャン・ノギョン(チョン・ミソン)を説得したウォル。この日を最後にするつもりで、人間呪符としてフォンのもとへ向かう。しかしそこに、かねてからの疑念もあって怪しんだ王妃ユン・ボギョンが行く手を阻んだ。人間呪符としてベールに覆っていたウォルに、顔を見せろと迫る。
その後、フォンの部屋へやってきたのはウォルではなくユン・ボギョンだった。何を隠しているのかわかったと語り、ウォルが亡きホ・ヨヌに似ていると糾弾。「国母はこの私なのです。わかりますね」イ・フォンのそばは自分が仕える場だというユン・ボギョンは、「じき王様ご自身もお認めになるでしょう」と意味深な言葉を残して部屋をあとにするのだった。
ユン・ボギョンが去ってからやってきたのは子作り用の人間呪符。そしてイ・フォンは彼女から、ウォルが役目を終え、やがて星宿庁を去ることを知らされる。そのあとチャン・ノギョンウォルに促されたウォルがフォンのもとへやってくるのだが、イ・フォンはどうにもイライラしたようすだ。
誰の許可を得ていなくなったと憤るイ・フォン。任務が終わったことや王に必要なものは自分ではないと説明するウォルだったが、「私の心の痛みを癒してくれるはずだ」「苦痛を鎮めてくれると言ったではないか」と前にウォルの口から出た言葉を挙げて引き留めるイ・フォン。「近づくな」と命令しておきながら「離れろは言っていない」と声を荒げる姿は、あきらかに感情に振り回されているのがわかる。
やがてウォルの言うとおり彼女とホ・ヨヌを重ねてしまっていることを認めたイ・フォン。しかしそのうえで、「待って欲しい。この感情を理解するまで。頼む、離れないでくれ」と本心からの言葉をウォルにぶつけるのだった。
翌日、イ・フォンのもとへ先王の側近である尚膳(サンソン)が自害したという連絡が飛び込む。8年前の真相を知る人物であった先代尚膳が命を捨ててまで守りたかったことが何なのかと考えたイ・フォンは、ヒョンソンへ義禁府(罪人の取り調べを行う官庁)へ向かい名簿を持ってくるように命じる。
そうして連れられてきたのは義禁府の都事(トサ)である男。イ・フォンは先王に仕えた尚膳の死について触れ、このままでは真実が闇に葬られると語る。義禁府と共に事件を調査するふりをしつつ、世子ピンの死に関する全貌を調べろと命じるのだった。
しかしイ・フォンが8年前の真相を追っていると気付いたユン・デヒョンと大王大妃(テワンテビ)・ユン氏(キム・ヨンエ)は、ふたたび暗躍を始める。
王医を連れた役人たちがイ・フォンの脈を測りに来たとして作業をはじめる。その後、彼に届けられたのは子作りの吉日は3日後という手紙。「まだ万全ではない」と体調を理由に断るイ・フォンへ、役人たちはこれ以上引き延ばせないと食い下がった。しかしイ・フォンは王命だと強権を発動し、役人たちを強引に下がらせる。
一方、ウォルはイ・フォンに言われた言葉と表情を何度も思い返していた。そんなウォルのもとへ、贈り物が届く。さまざまな一流の品がまとめられた道具はヤンミョングンからのプレゼントで、ウォルは慌てて彼を探して宿の外へ向かった。
ヤンミョングンとはすぐに出会うことができたウォルは、巫女である自分になぜ贈り物をするのかと問う。すると「私は――お前が好きだ」とストレートに切り出したヤンミョングン。戸惑うウォルだったが、ヤンミョングンの思いは固まっていた。「これ以上作り笑顔で本心を隠すなと言われた。心に抱いた者を解放しろということも」と語るヤンミョングン。
「確かにお前のことをよくは知らない。興味を抱いたのは、慕っていた人に似ていたからだ。だが今は違う、私が見ているのは…お前だ」真剣にウォルを見つめるヤンミョングンは、その思いを今度こそはっきり伝えるのだった。
夜、厄受け巫女としてイ・フォンのもとを訪れたウォルは、イ・フォンに命じられて夜の宮廷を散歩することになる。今日、自分のせいで人が死んでしまったと言うイ・フォン。私が殺したことになると続け、自分の周りには死が付きまとうこと、大事にしているものが危険に晒されることを吐露する。
しかしウォルは、「皆、ご存じのはずです。守ろうとなさるお心とその愛情を。王様のお心を感じていたはずです。だから――自責はおやめください」と優しい言葉をかけた。その言葉を聞いたイ・フォンは「私が調べている真実は出てくるだろうか」と悩みをウォルに打ち明ける。霊力を使わずに考えを言ってくれと頼むイ・フォンに、ウォルは「明らかになります」と即答。根拠を問われたウォルは、「王様の性命を――信じているからです」とまっすぐな目で語った。
「もつれというのは1度ではほどけません。徐々にほどいていくと、いつかは隠れた真実が姿を現すでしょう。ですから王様がご自身のことを――信じてください」。ウォルが真摯にイ・フォンの問いと悩みに答えると、イ・フォンは「礼を言う。久しぶりに…癒された」と幼い頃のように優しい笑みを浮かべる。
翌日、外戚派の首領であるユン・デヒョンがイ・フォンのもとを訪れた。子作りをするには体調が回復していないとするイ・フォンに対し、ユン・デヒョンは「呪符を使ったのにご体調が回復しないなら、法にのっとって処罰すべき事態です」と迫る。それは即ち、ウォルを人質に取った脅迫に他ならない。
思い悩むイ・フォンに、ヒョンソンはこれ以上拒み続けることで危険に陥るのは巫女・ウォルであると説得。“また守れなかった”と自分を責めてしまうイ・フォンが心配だと語るヒョンソンに、イ・フォンは今夜は巫女を呼ぶなと伝えるのだった。
その夜、イ・フォンは王妃ユン・ボギョンのもとを訪れる。「ついに望みが果たせて実によかったな」ユン・ボギョンに冷たく言うイ・フォン。王の心が得られないユン・ボギョンの次善策は、「王の実母」という立場だ。イ・フォンはそれを見抜いたうえで、「王妃の為に一肌脱ぐとしよう」と言って彼女を抱き寄せる…。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)