吉高由里子が主演を務める大河ドラマ「光る君へ」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。11月3日に放送された第42回「川辺の誓い」では、宇治の川辺でまひろ(吉高)と道長(柄本佑)が交わした会話が視聴者の心をふるわせた。(以下、ネタバレがあります)
「源氏物語」を生み出した平安時代の女流作家・紫式部の人生を描く「光る君へ」。大石静が脚本を務め、主人公・紫式部こと“まひろ”を吉高が、まひろのソウルメイトとなる藤原道長を柄本佑が演じている。第42回では、三条天皇(木村達成)との覇権争いに疲れ果て、ぼろぼろになった道長が体調を崩す展開が描かれた。
宇治で療養する道長。気力も失い、ただただ所在なげに川の流れを見ているばかりのその姿にいても立ってもいられなくなった百舌彦(本多力)が頼ったのは、まひろだった。
今にも泣きそうな表情で「実は、殿様のお加減が、およろしくなく…」と話す百舌彦に案内され、まひろは宇治の道長のもとへ駆けつけた。
「宇治は、よいところでございますね」とまひろ。2人は、川辺を歩きながら久しぶりにゆっくり言葉を交わした。
道長は、川の流れを見ながら「誰のことも信じられぬ。己のことも」と諦観をにじませる。まひろが励ますように「もうよろしいのです。私との約束はお忘れくださいませ」と言葉を掛けると、「お前との約束を忘れれば、俺の命は終わる」と返す。
若き日に2人で泣きながら直秀(毎熊克哉)を埋めた後、まひろが口にした「道長様は偉い人になって、直秀のような理不尽な殺され方をする人が出ないようなより良きまつりごとをする使命があるのよ」という言葉。道長は、その言葉を胸に刻んで、誰を敵に回そうとも突き進んできた。
その“使命”は道長にとってもはや、生きることそのもの。生きているうちは、忘れることなどしたくてもできない。そんな表情だ。
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