近習組に勤める主人公の三村新之丞(木村)は、確かな剣術の腕を持ちながらも“毒見役”を行う下級武士。美しい妻・加世(檀)と中間の徳平(笹野)と仲睦まじく平和な日常を送っており、「早めに隠居して、子供がたに剣を教えたい」という密かな夢を持っていた。
そんなある日、新之丞はいつものように昼食の毒見をしたところ、赤貝の毒にあたり激しい腹痛に襲われる。一命は取り留めたものの視力を失ってしまった新之丞は、人の世話なしで生きられなくなった自分を恥じて命を絶とうとするほど思いつめていた。
そんな時、加世が“外で男と会っている”という噂を耳にした新之丞は、徳平に尾行させると、加世が番頭の島田(十代目・坂東三津五郎)と密会していることを知り――。
その後、新之丞が武士の一分を通すために復讐に挑んでいくその姿は、「たそがれ清兵衛」や「隠し剣 鬼の爪」に続く、藤沢周平と山田監督の“時代劇3部作”最終章にふさわしい内容になっている。
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