俳優・アーティストののんが主演を務める映画「私にふさわしいホテル」が12月27日に全国公開される。全国公開に先立ち、本編映像が解禁された。映像内では、主人公・加代子(のん)が宿敵の大御所作家・東十条(滝藤賢一)へ逆襲する様子が収められている。また、監督を務めた堤監督が、印象的なシーンである“文豪コール”の誕生秘話を語った。
本作は、話題作を次々と発表してきた柚木麻子氏のいちばん“危険な作品”ともいえる「私にふさわしいホテル」が原作。主人公・加代子を演じるのは「さかなのこ」で新たな魅力を発揮し、俳優、アーティストとして様々な分野で活躍するのん。
監督にはテレビドラマ、映画、舞台など、あらゆるジャンルでヒット作を生み出し、社会現象を作ってきた堤幸彦氏が務める。共演には、滝藤賢一、田中圭、田中みな実、服部樹咲、高石あかり、橋本愛、橘ケンチ、光石研、若村麻由美など実力派俳優が集結し、個性的なキャラクターを演じる。
今回解禁された本編映像では、加代子(のん)がホテルのメイドに扮し、宿敵・東十条(滝藤)の部屋でひと波乱を起こす様子が収められている。
本映像は、加代子が「当ホテルから東十条先生へのプレゼントでございます」とシャンパンを差し出すシーンから始まる。しかし、東十条は「仕事中は飲まない」とあっさり断る。ドアを閉めようとするも、加代子はすかさず扉を押さえ「最近始まりましたミッドナイトサービスでございます。」と食い下がるが、東十条は断固として拒否するのだった。
それでも諦めない加代子は、強引に部屋に押し入り、「せっかくのシャンパンですから文豪コール入れさせていただきます!」と突如“文豪コール”を開始。「逍遥、四迷に鴎外、露伴…」と日本が誇る文豪たちの名前を唱えながらシャンパンを振り続け、東十条が執筆中の大事な原稿にシャンパンをかける暴挙に出る。2人の丁々発止のやり取りに、思わず笑ってしまうワンシーンが公開された。
このシーンについて堤監督は、「脚本では“文豪コール”としか書いていないところ、僕がその場で作りました。マニュアル的な受験勉強が嫌でたまらなかった高2の頃に、文豪と呼ばれる作家の文庫本を70冊くらい購入して一気に読んだ。文学漬けだった日々がここで生きたなと思っています」と、印象的なシーンである“文豪コール”の誕生秘話を語った。
本作の主人公は、新人賞を受賞したものの、大御所作家・東十条宗典の酷評により、華々しいデビューを飾ることなく、小説を発表する場も得られなかった不遇な新人作家・加代子(のん)。
「この恨み、晴らしておくべきかー」そう決意しながら憧れの“山の上ホテル”自腹で宿泊する加代子の部屋の上階に泊まっていたのは、東十条(滝藤)であった。そこで、大学時代の先輩で編集者の遠藤(田中)の手引きによって東十条の執筆を邪魔し、締切日に文芸誌の原稿を見事落とさせる。だが、ここからが加代子の更なる不遇と試練の始まりとなっていくー。
ズタボロになっても何度でも立ち上がり、己の実力と奇想天外な作戦で権威としがらみだらけの文学界をのし上がっていく加代子の奮闘ぶりに、驚いて、笑えて、スカッと元気をもらえる“痛快逆転サクセスストーリー”。
※高石あかりの「高」はハシゴダカが正式表記