【試写室】「トットちゃん!」松下奈緒の“絶妙”な歌声&ドヤ顔がじわじわくる

2017/10/01 10:00 配信

ドラマ コラム

松下奈緒が絶妙な歌声を響かせる(C)テレビ朝日


松下奈緒という女優がいかに音楽の才能に満ちあふれているかというのは、素人ながらに知っていたつもりではあるが、実はコメディエンヌとしての才能もずば抜けたものがあるのかもしれない。

あくまで真面目にやっているのに笑える、というか真面目にやればやるほど笑えるのが笑いにおいて最強の才能である、と誰かが言っていたような気がするが、彼女はまさにその才能を持っているのではないだろうか。

最初に出てくる“自宅練習”の歌もそれが垣間見えるところだが、第九演奏会の合唱団での歌練習は後世まで語り継がれるべき名シーンだ。それは多少大げさではあるが、あの“絶妙”な歌声(&ドヤ顔)はこの番組でしか聴くことができないし、じわじわくる。

普段の松下の歌とは一味違う、この貴重な歌声は注目しておいて損はない、どころかお釣りが出そうだ。

そして何と言っても山本の佇まいがいい。喋り方、立ち居振る舞い共に、なぜか最近やけに“昭和の色男が似合う”俳優になっている気がするが、それはちょっと私が山本にのぼせているからか?

コンサートマスターという重要な役割を担い、バイオリン奏者としての才能にも満ちあふれ、バイオリンを構える姿がつくづく様になる。いやはやズルイ! そりゃモテるわ! 天は二物を与えず、というが、そんなの信じられませんよ。

またも取り乱したが、叔父夫婦役の高田&八木コンビもいい味を出しているし、困ったときの山下容莉枝にモサイ感じを出すのがうまい本多、やがて出てくる小澤征悦高岡早紀らも濃いキャラながら、それぞれの持ち場をしっかり守っており、作品にやや濃いめの彩りを与えている。そして福山雅治の主題歌もまた、力強くドラマを後押ししている。

しばらくは出てこないだろうが、発表されたときのビジュアルが本人とソックリだった清野の演技にも期待したい。思った以上に真面目な締めになってしまったが、真面目だからこその面白さを目指している記事、というところをご理解いただければ、自然と笑いが込み上げてくるのでは?

いや、込み上げないですよね。トットと、締めます。ちゃん、ちゃん!