女優としても歌手としても、一つの到達点となった「ケイゾク」。その後も「永遠の仔」(2000年日本テレビ系)、「R-17」(2001年テレビ朝日系)と年に2、3本ペースで連ドラに出演した。
「いったん演技が楽しいと思ったのに、そこからまた悩み始めてしまって…。『永遠の仔』は幼児虐待のトラウマを描く難しい作品でしたね。『R-17』では、大先輩の桃井かおりさんと共演させていただきました。桃井さんから『休むのよ』とアドバイスされました。多分、ハイペースで仕事し過ぎだということなのでしょうが、そう言われてみて、私もおぼろげながら“休みたい”と思っていたことを自覚しました。休むことをそんなに“はばかる”必要がないのだなと、目からウロコが落ちたような気分。20代前半までは、いったん撮影に入るとほとんど休みもないですし、不眠不休で働き続け、“日常”というものがなかった気がします。完全に仕事中心で。でも、それからは出演の間隔を少し空けて、休みの間に過ごす日常の中にも演技の大事なエッセンスが詰まっている、ということを実感してきました」
そんなふうにインプットとアウトプットのバランスが取れたころ、出演した「JIN-仁-」(2009年)、「― 完結編」(2011年、共にTBS系)では、主人公の医師・南方仁(大沢たかお)がタイムスリップした幕末の江戸で出会う吉原の花魁・野風を演じた。
「野風役は、花魁としての気高さと強さのバランスをはかることが難しかったですね。そして現場では、何よりも頭と着物が重くて、美しい姿勢を保つのに苦労しました。かつらはスタッフの方が極力、軽くしてくださったのですが、そこに重いかんざしを何本も刺すので…。いかに完成した髪を崩さずに休憩するかというテクニックを追求しました(笑)。しかし、本気で寝てしまったことがあり、あるとき気が付いたら共演の綾瀬はるかさんが私のことを見て笑っている。眠っている間にかつらがズレてしまっていたんです」
時代劇では2014年に大河ドラマ「軍師官兵衛」(NHK総合ほか)にも出演。主人公・官兵衛(岡田准一)の妻・光を10代の時点から演じた。
「『課題は若作り』なんて言っていたのですが、撮影はとても楽しかったです。着物や日本文化が大好きなので、NHKの美術スタッフさんが隅々まで作り込んだお庭を見ているだけでも楽しく、立派な植木を自宅に持って帰りたい!と思ったぐらい。あいにくうちには庭はないのですが(笑)。そして、岡田さんとは『恋愛偏差値―』(2002年フジ系)でも共演しましたけれど、すっかり立派な“殿”になっていて、頼もしかったです」
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