秋ドラマが続々とスタートする中、ドラマ好きの代表として、ドラマ解説者:木村隆志、ドラマ評論家:成馬零一、ドラマライター:小田慶子の3名が“支持率”とその“支持理由”を各作品ごとに発表。さらに、キャストやスタッフが今後の見どころを語る“ドラマニフェスト”も!!
【支持率80%】絶体絶命のピンチが終盤の感動を誘う(木村)
初回から「日曜劇場」の熱き物語が全開。今作は男性同士ばかりではなく、縫い子ら女性との熱い絆も描かれます。「倒産寸前の零細企業に世界的メーカーが立ちはだかる」という強弱の対比も健在。ライバルが強大で絶体絶命のピンチが続くため、終盤の感動は大きくなるはずです。同枠の十八番である悪を打ちのめすセリフで爽快感も保証。
【支持率70%】日曜劇場×池井戸潤!男くささで勝負!!(成馬)
池井戸潤・原作小説×日曜劇場と言えば大ヒットした「半沢直樹」('13年TBS系)を筆頭とする最強の必勝パターンで、働く男性ファンのハートをつかんでいる人気ドラマ枠。老舗の足袋業者がランニングシューズで起こす一発逆転の企業再生のドラマを名優・役所広司が演じるとなれば泣けるヒューマンドラマとなること間違いなし!
【支持率80%】男くささにかえって女性は萌える(小田慶子)
この「半沢」チームは役者の人気より芝居を重視しているのが、最大の勝因。映画「三度目の殺人」('17年)でも名演を見せた役所広司に引き込まれる。山崎賢人は「まれ」('15年NHK総合ほか)など、職人の家の御曹司がハマるし、竹内涼真のランニング姿もまぶし過ぎるよ! 女性向けではない題材と配役の方が、逆に女性は萌えるのかも。
【ピエール瀧のドラマニフェスト】「役所広司さんに勝利宣言!!」
役所は「本当に個性的ないいやつ、悪いやつがたくさん出てきて、その中でも人間くさく演じながらバトルが続きます。こはぜ屋がアトランティスにいつたたきつぶされるか、また立ち上がるか」と意味深発言。そんな、役所に立ちはだかるアトランティス営業部長の小原を演じるピエール瀧は「大きな会社なので、いろんな思惑もあると思いますが、正々堂々とこはぜ屋をつぶしにいきたいなと思っております」と勝利宣言をし、ドラマを盛り上げる!
【支持率90%】エンタメ+社会派でグイグイ引き込まれる(木村)
水田伸生監督らしいドキュメントタッチの映像にグイグイ引き込まれます。民間企業と学校、サラリーマンと先生の比較でエンタメ性もプラス。「一番の問題は先生方です」というセリフにシビれました。奨学金返還などの教育問題を絡める骨太さもあり、福田靖さんの脚本×高嶋政伸さんは「DOCTORS―」('11年テレビ朝日系)の再来。
【支持率75%】鳴海校長の民間パワーで高校再編(成馬)
校長になる商社マンを櫻井翔が演じることで見えてくる若者たちの貧困と学校が抱える問題をどう描くのか? 「HERO」('01年ほかフジ系)などで知られる福田靖が脚本を手掛けるので物語の信頼と安定はバッチリだろう。誰でも楽しめる社会派エンターテインメントとなるはず! 生徒役からスターになる若手俳優を見つけるのも楽しみ。
【支持率80%】リアリティーは今期で一番。高嶋政伸には要注意!(小田)
企業論理でがんじがらめになった“出向”校長役は、櫻井翔にピッタリ。福田靖の脚本は細部までリアリティーがあり、教育現場の厳しさを知った鳴海がどうなっていくのか気になる。心配なのは「黒革の手帖」('17年テレビ朝日系)でも見せ場をさらっていった高嶋政伸の存在。その怪演ぶりは主役を食ってしまうが、翔くん、生きて!
【櫻井翔&蒼井優のドラマニフェスト】「鳴海校長の熱意のこもった長ゼリフに期待して!!」
ドラマでは、周囲を説得するために、鳴海校長が熱弁を振るう場面も増えてくる!?「第1話でもセリフの量は多かったのですが、これからもっと増えます。長いシーンを一気に撮っているので、見応えがあるんじゃないかな」(櫻井)。「櫻井さんは長いセリフを“聞かせられる”ところがすごいです。物語はこれから先生たちや会社の中でいろんなことが起こって、鳴海校長に対する荒波がくっきりしてきます。その中でどう向き合っていくのかを楽しんでほしいです」(蒼井)
【支持率60%】「元工作員」の設定でひたすらアクション(木村)
「奥様は元工作員」というぶっ飛んだ設定を最初に種明かししてしまったのは好印象。リアリティー無視で、ひたすらアクションを楽しめます。「習い事を通して知り合った主婦の問題を解決する」という緩い展開も、美人主婦3人も、週半ばの夜に最適。
【支持率80%】悪い男をぶっ飛ばす爽快活劇でスッキリ(成馬)
アクションドラマで高い評価を受ける金城一紀とアクション演技を得意とする綾瀬はるかがタッグを組んだコメディーアクションとなれば、期待するなというのが無理なもの。悪い男をぶっ飛ばす綾瀬はるかから目が離せない。
【支持率75%】セックスレスも描く攻めの姿勢に拍手!(小田)
荒唐無稽な設定なので、逆に肩の力を抜いて楽しめる。女をばかにする男や傷つける男に向けられるヒロインのバイオレンスが痛快。夫婦間の心と体の距離を描き、物語に現実味を持たせているのは、さすが金城一紀作品。
【支持率100%】全シーンが絵になる女優の掛け合いが満載(木村)
名だたる女優陣をそろえ、敵役は伊勢谷さん。まさに役者はそろいました。一つ一つのシーンが絵になる上に、宮藤さんらしいハプニングの連鎖と言葉遊びで、一瞬も飽きません。小ネタが少ない分、掛け合いが満載。
【支持率95%】名女優、名脚本で抱腹絶倒(成馬)
注目が集まる火10だが、今回の舞台は女子刑務所! 監獄を舞台に実力ある女優たちが大活躍。脚本は言わずと知れた「あまちゃん」('13年NHK総合ほか)の宮藤官九郎だけあって、抱腹絶倒のドラマになるだろう。
【支持率85%】ミステリー風は宮藤官九郎の新境地(小田)
女性6人の演技がはじけていて楽しい。脚本の宮藤官九郎らしい時間を巻き戻す構成と、謎をちりばめた新しい作風が混在。同枠のミステリー仕立ては、「カルテット」('17年TBS系)でも成功したので、今回も勝算アリか?
【満島ひかりのドラマニフェスト】「ふたばのドSな部分がパワーアップする!?」
弟1話の終盤では、ふたばが吾郎やカヨらに対して、刑務官らしく厳しい一面を見せた。満島は「(第2話以降)先輩にひどい言葉をたくさん吐きます。やっている方もちょっと胸が痛くなります(笑)」と語り、宮藤作品らしい展開に期待が高まる!
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