“朝ドラ”は放送開始から1カ月を目処に、大きな転換点を迎えることが多い。
たとえば、前作「ひよっこ」は、第4週までがヒロインの地元・奥茨城村でのエピソード。第5週から、集団就職で上京した後の物語が始まった。また、その1作前の「べっぴんさん」でも、ヒロインは第4週から第5週にかけて、ベビーショップの開店に奮闘している。
だから「わろてんか」も、「寄席経営」に向けて大きく舵を切るタイミングとして妥当なのだろうが、2015〜16年放送の「あさが来た」とは、特に不思議な“共鳴”を見せている。
もともと「わろてんか」と「あさが来た」は、キャラクターの配置の仕方などがよく似ていると話題になっていた。ヒロインの夫が、頼りないが憎めない人物であることや、ヒロインとの恋の予感を漂わせながら、ビジネス面でサポートしていく“王子様キャラ”の存在。そして、ヒロインが子役、その結婚相手が本役から始まる“年齢差のある恋”であることも共通している。
そんな「あさが来た」のあらすじを振り返ると、第4週から、あさ(波瑠)は嫁ぎ先である加野屋の仕事に携わっている。そして第5週にかけて、加野屋が新政府の銀目廃止による荒波にさらされ、第6週で、店を守るため炭鉱での新事業に着手するのだ。
ちなみに、はつ(宮崎あおい)の一家が借金取りから逃げるシーンで、柄本佑演じる惣兵衛が母・菊(萬田久子)を包丁で斬りつけようとするエピソードは第26話で、これも第5週のこと。
随所でリンクしている両作。偶然か必然かは分からないが、いずれにせよストーリーに暗雲垂れ込める「わろてんか」も、次週以降の大飛躍に向けたパワーチャージ期間だと思って見守っていたいところだ。
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