沢村一樹がNHK総合ほかで放送中の大河ドラマ「西郷どん」(毎週日曜夜8:00‐8:45ほか)に出演中。沢村は、島津斉彬(渡辺謙)を次期藩主にと尽力する赤山靭負を演じている。また、赤山は西郷吉之助(後の隆盛/鈴木亮平)たちにとって先生のような存在であり、吉之助と斉彬との縁を結ぶ重要な人物である。今回、そんな赤山を演じている心境などを聞いた。
――赤山靭負という人物をどのように捉えていますか?
ほとんど知識を入れずに今回この役に臨んだんですけれど、その方が逆に演じていて面白いというか、自由に役をつくれるなと思っています。西郷隆盛という人物の人格形成に大きな影響を与えた先生ですから、そういう人物でありたいなという雰囲気で演じさせていただいていますね。
当時の鹿児島は、「男とはこうあるもの」と決められているすごく厳しい藩だったと思うんです。ですが赤山という人物は、その厳しさの中で、どこか頭の柔らかい新しい考えを持っていたんじゃないかな。それが後の西郷たちに影響を与えたんじゃないかなと思います。
――なぜ赤山は、西郷たちを引き付けたと思いますか?
一番は否定しないところだと思います。やってくる若者たちに「それがお前の魅力だ。個性だ!」ということを気づかせる。当時は個性なんて言葉はないと思いますが、そういった考えを持っていた人なんでしょう。一人一人を一人前の人間として接し、否定しなかったところが慕われる部分だったんでしょうね。
――2017年の夏には鹿児島でのロケ撮影もございましたが、印象的だった思い出を教えてください。
僕は出身が鹿児島なので「西郷どん」が始まると聞いた時、ずっと出たいと思っていたんです。その願いが叶い、鹿児島でロケを行うことで、その喜びを実感しました。ものすごく暑い中での撮影だったんですけれど、その暑さに負けないくらいの熱量で芝居をしてきました。実際に武家屋敷に上がらせていただいて、そこに住んでいるという設定のお芝居が楽しかったですね。
――島津斉彬や西郷隆盛という人物について、どのように感じていましたか?
島津の殿様というすごい人がいて、そこに西郷さんという人物がいたということは、鹿児島の人々には今も植え付けられている記憶なんです。なので、西郷さんの偉大さというのは当たり前にみんなが知っていることだと思っていました。
そういった半面、西郷さんという人物は鹿児島県人が持っている気質とは、また違った気質を持っていた人物だと思うんですね。だからこそ、鹿児島を飛び出し、日本という国のために尽力したんだと思うんです。
――鈴木亮平さんの印象を教えてください。
鈴木君が西郷隆盛のゆかりの地を巡ると聞いて、実際に生の鹿児島弁を聞いてもらおうと思い僕の友人たちを紹介したんです。そして、一緒にご飯を食べたんですけれど、頭も良いし体格も良いし完璧だなという印象ですね。
――時代劇を演じることの魅力とは何ですか?
時代劇というのは演じていて大変なんですよ。かつらも被らなければいけないし、着物の着付けも慣れていないし、所作も言葉遣いも気を付けなければいけない。僕は力を抜いた芝居が好きなので、時代劇を演じている時はいつも「大変だな」と思っています。
ですが、なぜかまたやりたくなるんですよね。その時代に思いをはせたり、何となくその時代にいるような気持にさせてくれるからなのか。なぜなんでしょうね(笑)。
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