松坂慶子が、鈴木亮平主演の大河ドラマ「西郷どん」(毎週日夜8:00‐8:45ほか、NHK総合ほか)に出演中。貧しいながらも、西郷家の子供たちを立派に育て上げる肝っ玉母さん・満佐を演じている。今回、そんな満佐を演じている感想や、物語の序盤の舞台である薩摩という環境の魅力などについて聞いた。
――満佐という人物をどのように捉えていますか?
きっと明るい人だったんでしょうね。ある意味一家のリーダーとして家族を引っ張っていく女性ですが、洗濯機も掃除機も冷蔵庫もない中で、あれだけの大家族を支えるのは本当に忙しかったでしょうね。
さらに、西郷家は食材も豊富にはない、どちらかと言えば貧しい。悩みや心配もありながら、自分が何をすべきかを考え、ずっと動き続けていたんでしょう。それでいて、武家の妻らしい品格を片時も忘れずにいる使命感の強い女性だったんでしょうね。
――薩摩の女性を演じてみてどのような印象を持ちましたか?
台本にも「薩摩隼人は薩摩おごじょがつくる」というせりふが出てきますが、そういった自覚を持って生きているところが、鹿児島の女性のすてきなところだなと感じます。
――新しく知った薩摩の魅力を教えてください。
郷中教育という隣近所、地域みんなで子供を育てていくという開かれた空間があって、それが温かくてすてきですね。お家の一つ一つが教育の場になっていて、朝になると子供たちが“どどどど”とやって来る。
勉強する子や、「薩摩いろは歌」を学ぶ子、相撲を取る子、剣術の稽古をする子、その姿がとても活気があって、地域の人々みんなが将来の薩摩を担う人材を育てるために存在している。現代の私たちも見習うところが多かったですね。
――第1話(1月7日放送)で、小吉(渡邊蒼)のけがの回復を願い、泣き崩れて神様に懇願する満佐の姿が印象的でした。
とてもいいシーンなので毎晩家で練習していたんですが、その練習の声が娘たちにも聞かれていたようで、シーンの撮影を終えたことを報告したところ彼女たちも、ほっとしていました(笑)。
――満佐が育て上げた吉之助だなと感じるポイントはありますか?
優しさや大切な人への愛、人々の痛みや気持ちが分かるところでしょうか。そういう人物に成長していったのは、愛情深い家族に育てられたからでしょうね。
――満佐から見た、「人助け」ばかりしている吉之助の印象を教えてください。
吉之助の情に厚くて優しいという性格は良さでもあり、心配でもあるんですよね。吉之助は「人は人のために生きている」と貫き、見て見ぬふりが出来ないんです。素直に育ったんでしょうけど、親にとっては心配な部分でもありますよね。
――鈴木亮平さんの印象を教えてください。
存在感があって、器が大きい感じがしますよね。これからもっと出会いや年齢を重ねて、より良い味が出てきて、もっとすばらしい俳優さんになっていくんじゃないでしょうか。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)