「西郷どん」愛加那の兄・富堅役の高橋努を直撃!三味線シーンの裏側を明かす

2018/05/27 20:00 配信

ドラマ インタビュー

西郷吉之助(鈴木亮平)の義兄・富堅を演じる高橋努(C)NHK

鈴木亮平が主演を務める大河ドラマ「西郷どん」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。5月27日(日)に放送された第20回では、島流しで奄美大島(あまみおおしま)へ渡った主人公・吉之助(鈴木)が、愛加那(二階堂ふみ)と結婚。吉之助は愛加那と出会ったことで初めて男女の愛を知り、島に残る決意をする。

そんな愛加那の兄であり、西郷がやってきた集落の若者たちのリーダー的存在の富堅を演じる高橋努にインタビューを敢行。

妹・愛加那への思いや、奄美大島・沖永良部島(おきのえらぶじま)で行われた大規模なロケの感想などを聞いた。

2度目の大河ドラマ出演に「やったー!」


――大河ドラマへの出演は2度目ですが、今回の出演が決まったときはどんな思いでしたか?

「やったー!」って思いました(笑)。

ただ、決まったときには富堅について何も知らなかったので、すごく調べましたね。

愛加那については僕も少し知っていて、文献もたくさん残っていたんですが、その兄である富堅については文献などもあまり残っていなくて…。写真も、この人物が“おそらく”冨堅であろうと言われている、というものが1枚あるだけだったので、調べるのも難しかったです。

――富堅や愛加那たちの故郷である、奄美大島でのロケはどうでしたか?

まず空港に着いたときに、とても空気がいいなと感じました。空気だけではなく、島全体の“気”がいいという印象も受けましたね。

島を回っていたら、いたるところに「愛加那」や「西郷さん」と書いてあって、宿泊していた場所の近くにも「愛加那」という名前の飲食店があったんですよ。でも、富堅の文字は全然なかったです(笑)。

あとは、龍佐民さんの家を見学しに行ったんですが、そこにも富堅の文字はなく…『僕、本当にいたのかな?』って少し思ってしまいました(笑)。

――史料も少ない中での役作りになったかと思いますが、どのように富堅という人物を捉えて演じられましたか?

喜怒哀楽が激しくて、笑ったり泣いたり怒ったり、その後歌ったり踊ったりする振り幅の大きい役なので、演じていて楽しかったです。

富堅は、すごくチャーミングな人だったんじゃないかなと思います。だから、みんなに慕われていて、龍佐民(柄本明)さんの次に集落のリーダー的存在になれたんだろうと考えながら演じていました。

役作りとしては、髪の毛を4、5カ月伸ばしたり、ひげを伸ばして見た目を変えていきました。

あとは、島唄や三味線、方言を習ったり…習い事のオンパレードでしたね(笑)。

一番難しかったのは三味線です。三味線は、演奏の技術は上達したんですが、芝居で感情を乗せると弾けなくなってしまうんです。でも、そこが演技にリアルさを生むのかなとも思いました。

三味線と踊りには譜面や教科書がなくて、育った環境で弾き方や踊り方、歌い方が変わるらしいんです。だから、三味線の先生には指を置く位置を教えていただくのではなく、「タララランって弾いてください」とだけ言われて、感覚で弾いていくんです。それが面白かったですね。

――三味線を弾く場面で、特に印象深いのはどのシーンでしたか?

愛加那が、吉之助の第一子を出産したシーンです。

富堅は、妹の子供が生まれたことを祝うために三味線を弾くんですが、愛加那の気持ちを思うとすごく苦しくて、三味線がなかなか弾けなかったんです。

だから、演出の方に「弾けないです」と相談したんですよ。そうしたら「応援したいという気持ちで弾けばいい」とアドバイスをいただきました。結果的に、とても切なくて、いいシーンになったと思います。

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