鈴木亮平が主演を務める大河ドラマ「西郷どん」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。5月27日(日)に放送された第20回では、島流しで奄美大島(あまみおおしま)へ渡った主人公・吉之助(鈴木)が、愛加那(二階堂ふみ)と結婚。吉之助は愛加那と出会ったことで初めて男女の愛を知り、島に残る決意をする。
そんな愛加那の兄であり、西郷がやってきた集落の若者たちのリーダー的存在の富堅を演じる高橋努にインタビューを敢行。
妹・愛加那への思いや、奄美大島・沖永良部島(おきのえらぶじま)で行われた大規模なロケの感想などを聞いた。
――大河ドラマへの出演は2度目ですが、今回の出演が決まったときはどんな思いでしたか?
「やったー!」って思いました(笑)。
ただ、決まったときには富堅について何も知らなかったので、すごく調べましたね。
愛加那については僕も少し知っていて、文献もたくさん残っていたんですが、その兄である富堅については文献などもあまり残っていなくて…。写真も、この人物が“おそらく”冨堅であろうと言われている、というものが1枚あるだけだったので、調べるのも難しかったです。
――富堅や愛加那たちの故郷である、奄美大島でのロケはどうでしたか?
まず空港に着いたときに、とても空気がいいなと感じました。空気だけではなく、島全体の“気”がいいという印象も受けましたね。
島を回っていたら、いたるところに「愛加那」や「西郷さん」と書いてあって、宿泊していた場所の近くにも「愛加那」という名前の飲食店があったんですよ。でも、富堅の文字は全然なかったです(笑)。
あとは、龍佐民さんの家を見学しに行ったんですが、そこにも富堅の文字はなく…『僕、本当にいたのかな?』って少し思ってしまいました(笑)。
――史料も少ない中での役作りになったかと思いますが、どのように富堅という人物を捉えて演じられましたか?
喜怒哀楽が激しくて、笑ったり泣いたり怒ったり、その後歌ったり踊ったりする振り幅の大きい役なので、演じていて楽しかったです。
富堅は、すごくチャーミングな人だったんじゃないかなと思います。だから、みんなに慕われていて、龍佐民(柄本明)さんの次に集落のリーダー的存在になれたんだろうと考えながら演じていました。
役作りとしては、髪の毛を4、5カ月伸ばしたり、ひげを伸ばして見た目を変えていきました。
あとは、島唄や三味線、方言を習ったり…習い事のオンパレードでしたね(笑)。
一番難しかったのは三味線です。三味線は、演奏の技術は上達したんですが、芝居で感情を乗せると弾けなくなってしまうんです。でも、そこが演技にリアルさを生むのかなとも思いました。
三味線と踊りには譜面や教科書がなくて、育った環境で弾き方や踊り方、歌い方が変わるらしいんです。だから、三味線の先生には指を置く位置を教えていただくのではなく、「タララランって弾いてください」とだけ言われて、感覚で弾いていくんです。それが面白かったですね。
――三味線を弾く場面で、特に印象深いのはどのシーンでしたか?
愛加那が、吉之助の第一子を出産したシーンです。
富堅は、妹の子供が生まれたことを祝うために三味線を弾くんですが、愛加那の気持ちを思うとすごく苦しくて、三味線がなかなか弾けなかったんです。
だから、演出の方に「弾けないです」と相談したんですよ。そうしたら「応援したいという気持ちで弾けばいい」とアドバイスをいただきました。結果的に、とても切なくて、いいシーンになったと思います。
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