――妹思いの富堅にとって、愛加那の夫である吉之助とはどんな存在だったんでしょうか?
義理の兄と弟ですが、関係性は友人に近かったと思います。
ドラマの中では描かれていませんが、西郷さんは農業にも詳しかったので、島民たちは西郷さんにいろんなことを教わって発展したことも多かったと思います。だから、大人たちにとっての先生のような存在だったんではないでしょうか。
島を離れた吉之助と、後に再会するシーンも出てきますが、富堅は吉之助に会いたかったんだと思います。それに、吉之助の息子である菊次郎を、お父さんに会わせたいという思いも強かったんではないでしょうか。
――妹の息子である菊次郎への思いも強いんですね。
富堅は愛加那と一緒に子育てをしていましたし、自分の息子同然だと思います。
菊次郎が吉之助に会うシーンの撮影のとき、菊次郎役の赤ちゃんが僕になれているので、亮平くんが抱っこしたときに泣いちゃったんです。
そのシーンは、実際に菊次郎と吉之助の親子が会えていなかったことと重なって、切なくなりました。
――吉之助を演じている鈴木さんの印象はいかがですか?
亮平くんは、健康的でさわやかでエネルギーのある、いいやつです。一緒に芝居していると学べるものがたくさんありますね。それに知識もあって、年下なんですけど、僕の“筋トレ”の先生でもあるんですよ。
――富堅も島民の中では体格がいいように見えますが、役作りとして“筋トレ”もされていたんですか?
“筋トレ”はしていたんですが、島民は米も砂糖も食べられないひもじい生活をしていたということもあり、節制しつつ鍛えるようにしていました。
史実でも、島一番の力持ちが西郷さんに相撲で負けたということが残っているくらい、西郷さんと島民には体格差があったそうですね。
だから、僕が亮平くんと並んだら、そんなに体格がいい人に見えないと思いますよ。
亮平くんの体は本当にすごいんですよ。愛加那を追い掛ける吉之助を止めるシーンの撮影のときは、僕にぶつかってきた亮平くんが“軽トラ”かと思うくらい衝撃が大きかったです(笑)。
――今後の見どころを教えてください。
思い出深いのは、吉之助が薩摩に帰ってしまうシーンですね。
そのシーンは、愛加那と吉之助の別れがメインなので、富堅が泣く必要はないんですけど、リハーサルの前から悲しくなってしまって、ずーっと泣いてしまいました。
あとは、愛加那が出産した赤ちゃんを見に行くシーンです。
そこも、吉之助が泣くべきシーンなので、僕はニコニコしていなくてはならなかったんですが、なぜだか涙が止まらなかったんです。
このドラマ「西郷どん」だから、僕が先に泣いちゃ駄目だと、「富堅どん」じゃないんだからと思い直して、本番では泣かないようにできました(笑)。
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