――美村里江さんが演じている正妻の満寿については、どのような印象を受けましたか?
「西郷どん」の中での彼女の立ち位置は、内助の功というか、私もヤキモチを妬いてしまうくらい“できた女性”だと思います。
彼女はきっと、地にしっかり足をつけて大久保を支える奥さんだと思うので、おゆうにはない魅力がしっかりある女性です。
その分、おゆうがクッションのように柔らかく、大久保がもたれかかることができるような女性でいようと思えました。
脚本の中園(ミホ)さんも、女性たちの活躍を愛らしく、チャーミングに描いていただいているので、私のパートはちょっとホッとする感じがあって楽しいです。
――大久保とゆうの交流は、あまり劇中では描かれていなかったように感じますが、描かれていない空白の部分を想像しながら演じられているんでしょうか。
はい。台本に書かれている以外のことを、想像力を持って、おゆうさんとして大久保と向き合っています。
私の中でおゆうさんは、ポリシーをちゃんと持って生きていて、誰かに依存せずに一緒に時代を歩ける女性だと感じていて、きっと大久保と気が合ったのはそういう性格だからなのかなと思っているんです。
あの時代の女性は、現代にはない辛いことが多かったかと思いますが、おゆうさんは大久保と一緒にいる時は、夢を見られたんじゃないでしょうか。満寿さんもきっとそうだったと思っています。
――西郷隆盛についてのイメージはどうでしたか?
私の中では、おおらかで優しそうな印象だったんですが、今回、実はナイーヴで気を使う方で、自分の体や精神、考えを持て余している人だと初めて気付かされました。
ただ優しいだけじゃなく、時には岐路に立たされて、何かを切り捨てていったり、戦っていたりするので、狂気もあるようなかっこよさを亮平さんが演じているのを見られるのが楽しみです。
――大久保と西郷という、世の中を変えようと奮闘する男性を、おゆうは第三者として、すごく近くで見てきた役柄だと思います。お2人との撮影で感じたことはありますか?
撮影では、「何とも言えない体験をさせてもらっているな」という気持ちになりました。
亮平さんも瑛太さんも、ご自身の中で役を長く染み込ませてきているので、一つ一つの言葉が体から出てている状態なんですよね。だから、一緒に現場にいると、撮影なんだけれど、「この時代の男性は本当にこうやって戦ってきたんだな」という錯覚をするほどで。
二人の男が命をかけていることが感じられて、いい緊張感を感じながら演じることができました。
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