――香奈と夫・秀樹(妻夫木聡)の関係もそうですが、前半と後半では物語の見方ががらりと変わります。人間の二面性を描いた作品でもあると思いますが、どういう心持ちで演じられていたのでしょうか?
香奈を演じる上で前半と後半で何かを変えた、ということはないのですが、人間は人によって見せる顔が違ったりすることがあるじゃないですか。そういう部分は私にも少なからずあるので、それを掘り下げていく感覚でした。
――夫の秀樹に対するいらだちも相当なものでしたね。彼は周囲からは理想的な“イクメン”に思われているけれど、実際は全然そんなことなくて…。
秀樹には本当に腹が立ちますよね(笑)。私なら「(娘の面倒を)一緒に見てほしい」と言ってしまうかも(笑)。でも、香奈がそう言えないのは、彼女自身の弱さであり、母との関係性が出ているのかなと思いました。
――少し育児や家事を手伝っただけで“イクメンパパ”ぶらないで、という声も実際にありますね。
そうですね。フランスだと子育てはみんなでするものという考えがあるらしく、男性もやって当たり前という感覚だという話を聞いたことがありますが、日本ではまだそこまでではないのかもしれませんね。もちろん、最近は共働きの家庭が増えてきて、考え方が変わってきているのかもしれませんが、ちょっと手伝っただけで“イクメンパパ”と呼ばれることに納得いかないのは分かる気がします(笑)。
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