加賀まりこ「真面目にやっているからこそ、おかしくて悲しい」<やすらぎの刻~道>

2019/05/06 07:00 配信

ドラマ インタビュー

一字一句間違っちゃいけない


加賀まりこが語る、倉本聰の魅力とは?(C)テレビ朝日


――撮影中、印象的だったエピソードはありますか?

序盤で、私と石坂さんと浅丘さんが60代くらいの設定のシーンを撮影したんです。私も浅丘さんもきれいに映っていましたよ。何か「フィルターでもかけたの?」と思うくらいに若々しくて、納得のいく出来でした。

それと、風間(俊介)さんがすてき。「道」は、風間さんの語りで物語が進んでいきますけど、語りも含めて風間さんのお芝居のうまさに感心しました。演じられている公平という役がとても魅力的に見えて、ドジでツイていない男なんだけど、それがすごくかわいい。

――あらためて、倉本さんの脚本の魅力とは?

とにかく、せりふ。言葉の魅力です。私はそれこそ、映画「月曜日のユカ」(1964年)の頃から倉本さんとはご一緒させていただいて。その後を何度も出演させていただいていますが、倉本さんが心血注いで書いたせりふだからこそ、一字一句間違っちゃいけないと思っています。

もちろん、せりふだけではないです。今回の「道」では、日本人としてきちんと覚えておかないといけない“根っこ”の部分が描かれていますので。

「やすらぎ」パートの方は相変わらずコミカルですけど、登場人物が全員年を取っているから悲しい。ただ単に笑わせるためにやっているわけじゃなくて、真面目にやっているからこそ、おかしくて悲しいんです。