――今回もだましのどんでん返し的な物語上の仕掛けが満載ですが、「常に何者かを演じている詐欺師」の役は、観る側のこともだますという点で、さじ加減など難しくはなかったですか?
もちろん自分なりに「ここはこれくらい」っていうさじ加減はあるんですけれど、監督がどう切り取るかによって見え方も変わるので、自分でコントロールしたところで思い通りにはいかないのがこの作品の難しいところなんですよね(笑)。
そういう意味では、それぞれの持ち場の人が「これくらいかな」って思う部分が集まって、いい感じにつなぎ合う関係性が出来上がっているなと思います。古沢(良太)さんの脚本も、キャラクターの本音や素性が分からないように描かれているので、演じる側が何か言うより、お客さんに見方を委ねる部分も大きいのかもしれません。
ただ、自分たちがダー子、ボクちゃん、リチャードの人間性や本質的な部分をもっと丁寧に理解した上でお芝居することによって、見える世界も変わって来ると思うので、そういう意味ではまだ物語は序章に過ぎないって感じなのかな?と思いました。でもそう思わせること自体、古沢さんの手のひらで転がされてるみたいですよね(笑)。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)