東出昌大、小日向文世の“名言”に感銘

2019/05/16 08:00 配信

映画




ボクちゃんはお芝居が上手


――詐欺師であるボクちゃんたちには、「本音」の部分と「演じている」部分が両方あり、演じる上で難しさはなかったですか?

難しいですね。表裏があって、「表」のお芝居をやっても正解だし、「裏」のお芝居をやっても正解だし。でも監督にその都度相談して、どっちで行きましょうか、リアリティーをとるのか、エンターテインメントをとるのか…そういうお話はします。

でも、連ドラ撮影中にコヒさんが一度、「ま、お芝居も詐欺みたいなもんだからね」っておっしゃったんです。撮影していて、そう思う瞬間がやはり度々あります。この「コンフィデンスマン」の現場では泣いたりもするし、怒ったりもするし。「あ、なんか詐欺みたいなことやってるな」って思うので。だから、僕から見ると、「ボクちゃんはお芝居が上手なんだな」と思います。

5月17日(金)公開の「コンフィデンスマンJP」に出演する長澤まさみ、東出昌大、小日向文世撮影=西村康


――長澤さん、小日向さんとのチームプレーの成果でしょうか、3人のキャラクターがとても生き生きと描かれているように見えます。

役は3人とも、底抜けに明るいですよね。人間は生まれつき悪なのか、善なのか、性善説・性悪説で言えば、この3人は絶対、善の3人なんだろうなと思います。

今回、江口洋介さんが香港で一緒に食事をした時に、「やっぱりいいな、こういう明るい作品は。飯がうまく食える」っておっしゃってて(笑)。決してこの仕事を軽く考えているわけではないんですけれども、そういう楽しい空気の下、作られる作品があってもいいのかなって、この座組に帰ってくるといつも思います。

――映画公開翌日にはスペシャルドラマ「―運勢編」が放送されます。ボクちゃんとしての見どころは?

僕、思っていたより(役で)血だらけになったんです。実は、撮影でいろいろあってそれはもう、ボコボコに(笑)。それにスペシャルドラマは、ボクちゃんのパートは小津安二郎作品のような、リチャードのパートは映画「マディソン郡の橋」(1995年)のような、ダー子のパートは映画「荒野の決闘」(1946年)のような、と監督がおっしゃっていたので、三者三様に動くんですけれど、全然テイストが違うものになっているから、僕ら自身、他の人の現場を全然見ていないのでそこは楽しみです。また、モナコ(織田梨沙)という新人が入りまして、彼女がまた、新しい風を入れてくれるので、そこもご期待いただければ!

取材・文=magbug