教授選でついに悲願を達成した財前は満ち足りた日々を送っていた。一方、擁立していた菊川昇が破れた東は、退官後の行き先が決まらぬまま、浪速大学を去ることに。
ある日、鵜飼が財前にドイツの国際医療外科学会からの招待状を渡す。それは、講演と新しい術式のデモンストレーションの依頼で、鵜飼にとっても財前にとっても喜ばしいことだった。
権力を手に入れるため、ひたすら上を目指す財前とは対照的に、患者のことを第一に考え、診察を続ける里見のもとに、繊維問屋を営む佐々木と妻・よし江(岸本加世子)がやって来る。糖尿病が悪化したため、薬を見直したいと言う佐々木だが、里見は検査を重ねるうちに、糖尿病ではなくすい臓がんを疑う。
里見は医者として腕を信頼している財前に相談、執刀も依頼する。信頼する里見から優秀な外科医だと紹介されたものの、尊大な態度をとる財前におじけづく佐々木。しかし、里見の後押しもあって、とうとう手術を受ける決心をする。
翌日、財前がドイツに出発するまでに手術をすることになった佐々木が入院してくる。総回診の際、担当医の柳原が、肝機能の数値と炎症反応が気になるのでPET検査をした方がいいと進言するも、財前は「必要ない」と一蹴。その様子を見ていた佐々木とよし江は、思わず里見に不安な気持ちを吐露する。里見は、万全を期すため、必ずPET検査をするよう財前に約束を取り付けるが…。
佐々木の手術の日――。順調に手術が進む中、モニターを確認していた柳原が、肝に腫大と、妙に白い部分を発見する。柳原は、生検に出すべきか相談するが、またも財前に一蹴されてしまう。後日、無事に手術が成功したはずの佐々木の容態が急変。柳原は慌てて財前を探すが、連絡が取れず、焦った柳原は里見に助けを求める。
一方、柳原からの連絡を無視し続ける財前は、愛人・ケイ子(沢尻エリカ)のバーで開かれている自身の壮行会に出席していた。そして翌朝、意気揚々とドイツへ旅立つ。ここから茨の道を歩むことになるとは知らずに……。
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