<いだてん>阿部サダヲ率いる新たな物語へ!第1部の名シーンと第2部見どころを演出陣に聞いてみた

2019/06/29 12:30 配信

ドラマ

第2部主人公・田畑政治(阿部サダヲ)がいよいよ登場!(C)NHK

大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか) が、6月23日に放送された第24回で第1部の終幕を迎えた。

日本最初のオリンピック選手となった第1部の主人公・金栗四三(中村勘九郎)。第2部では、新聞記者の田畑政治(阿部サダヲ)が主人公となり、日本にオリンピックを呼ぶために奔走する物語が始まる。

今回「ザテレビジョン」では、本作の演出を務める井上剛氏、一木正恵氏、西村武五郎氏に鼎談インタビューを敢行。

前後編の後編では、第1部の印象深い演出回や、撮影していて面白かった人物、そして第2部の見どころを3人に語ってもらった。

――今まで撮影したシーンの中で印象深いものはありますか?

井上剛(以下、井上):印象深くないシーンがないくらいですね。とにかく毎日撮影していて、さっき撮影したものも頭の中にあるし、編集して、音楽を入れて、脚本も作っているので、全部が印象深いです。

西村武五郎(以下、西村):本当にどのシーンも密度が濃いので印象深いのです。その中で1クール目でいうと、生田斗真さんのクライマックスを撮らせていただいた僕の中では第11回(3月17日放送)の、ストックホルムオリンピックでの弥彦(生田)の400m走が印象に残っています。

実際に半年以上かけてトレーニングしてきた生田さんが、弥彦として本気で400mを走って、その後の芝居まで一気に撮った時のことは忘れられません。

調子のいい天狗を演じ、ノイローゼも乗り越えた弥彦が実際に走った時の鬼の形相や、それを応援する四三さんや治五郎さんのリアルな芝居は、もはや演技の域を超えていました。「ああ、本当にストックホルムオリンピックを撮っている…」と、演出人生でもなかなか立ち会えることができない瞬間を撮っているのだなと感動しました。

とにかく生田斗真さんの芝居の振れ幅、命がけの「いだてん」に対する姿勢に感銘を受けましたね。

その後の四三さんと弥彦の水浴びのシーンもすごくて。2人の築いてきた関係や、リアルに四三さんと弥彦を生きてきたそのものが、表情や芝居に現れてました。そんな2人を祝福するかのように、シーンの最中に太陽が雲から出てきて光が降り注いできたので、その瞬間は、現場でもスタッフの多くが涙しました。