中谷美紀・吉岡里帆・永作博美・宮本信子が同居生活、三浦しをんの小説をドラマ化

2019/08/14 14:09 配信

ドラマ

同じ洋館で暮らす4人を演じる、(写真左から)宮本信子、中谷美紀、永作博美、吉岡里帆(C)テレビ東京

中谷美紀コメント


――このドラマの話を聞いた時の感想

谷崎潤一郎の「細雪」へのオマージュでもあり、向田邦子さんの世界のようでもあるこの作品は、少々浮き世離れした物語だと受け止められるかもしれませんが、実のところ「父なき時代」が三浦しをんさんの巧みな筆致により繊細に、リアルに描かれており、4人の女性の掛け合いを想像して、「ぜひ演じてみたい」と心がうずきました。

――演じる上で心掛けている点

素晴らしき本、優れた演出家、類い希なる共演者に恵まれた際には、無駄な抵抗をせず、ただこの身を委ねて役を生きるのみです。もちろん役柄の軸を見出すまでには少々時間を要しますが、相手の役者さんの声に耳を傾け、目を見て演じていると、自然と鏡のように自らの役柄が見えてくるものです。

――刺しゅう作家の役ということで、実際に刺しゅうをしてみての感想

堪え性のない私は、編み物ですら10cm以上編んだことがありませんが、その一方で、こつこつと地道に丁寧に手仕事をなさる方々に憧憬の念を抱いて止まず、器や染織など、もの作りをなさる方々の作品を見るため、ギャラリーでの展覧会に足繁く通っています。刺繍は、小さな枠の中に、美しく深い世界が広がっていますので、日常の煩いから離れて、何かに没頭するには最適なのではないでしょうか。

――4人での共同生活、実際演じてみての感想 

実際の家族と過ごすよりも心地の良い奇妙な共同生活が、これから長い老後を孤独に過ごさざるを得ない現代の人々にとって、一筋の光明となれば幸いです。家主の宮本信子さんを筆頭に、永作博美さん、そして吉岡里帆さんと、演技の達者な方々とあの洋館でともに暮らすことがかない、幸せでした。和を重んじるかたわらで、決して立ち入り過ぎない程よい距離は、物語同様心地よいものでした。

――視聴者に向けて見どころ

何かが欠落した4人の女達の、まるで噛み合わないながらも、仲良くやっている絶妙な人間関係を楽しんでいただけましたら幸いです。

吉岡里帆コメント


1つの洋館の中で紡がれる温かくて不思議で愉快な4人の女の物語です。ひとりひとりは不器用な人たちの集まりなのに、4人で集まると強くなれたり笑えたり、お互いがお互いの穴を埋めるような存在として、新しい家族の形を出せているように思います。隣にいるあなたの大事な人がより愛しくなるような、そんな温かい人間模様が描かれています。このドラマを見れば、もう少し頑張ろうと思えたり、まぁいっかと良い意味で肩の力が抜けると思います。ぜひ見てください。