自分は中学・高校の保健体育の教員免許を持っており、教育実習では教卓に立ち、体育館やグラウンドでも体を張って生徒と向き合うという経験をした事がありました。こうした経験はそのまま活かせるだろうと高をくくっていましたが、警察学校の教官という役は、これから我が国の治安を守っていく若者たちの、模範となるべき立場を演じるということ。
作品へのプレッシャーはもちろんのこと、それ以上に大きな“職務”を背負わなければいけないという重圧が頭の中には常にあり、同じ指導者の立場でもまるで違うということを実感しました。
撮影に入る前に行われた警察官の所作訓練では、生徒役の全員が本気で声を掛け合い、互いに叱咤(しった)激励し合い、また主演の風間教官を演じる木村さんが、すでに役柄を身に纏(まと)わせた状態で生徒たちにぶつかっていく姿を目の当たりにし、心が震える程の刺激を受けたことを覚えています。この「教場」という現場では、一瞬でも気を抜いてはいけない、教官と生徒の本気のぶつかり合いが求められる場であるとも思いました。
初めての中江組への参加でしたが、ドラマ作りの心構えや、苦労の中から得られる充実感など、改めて実感させていただけた現場です。生徒の皆さんの訓練の成果、そして、教場に関わる全ての人が注ぎ込んだ作品への情熱が、どのような形で画面に映し出されるのか。本当に楽しみです。
「木村拓哉さん主演のドラマ『教場』のオファーがあったんですけど、石田さんどうします?」とマネージャーに聞かれて、「出るに決まってるやろ!」と純度100%でつっこんでしまいました。断るバカがどこにおんねんと。舞台で共演した味方良介さんや木崎ゆりあさんと、同じドラマに出られることもうれしかったです。
木村さんと絡むシーンは残念ながらなかったんですが、僕の撮影初日にお会いすることは出来ました。が、緊張であいさつが精一杯で話しかけることすらできない自分が本当に情けなかったです。
不慣れな現場で右も左もわからない僕でしたが、キャストもスタッフもみなさん優しく、楽しくやることができました。さらに役に合わせて髪の毛を切るという経験も初めてして俳優気分を存分に堪能させてもらいました。なので、もう思い残すことはありません。台本だけ見ても面白かった「教場」がどんなドラマになっているのが本当に楽しみです。
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