世界的バイオリニストの五嶋龍が、2020年3月6日(金)公開の映画「Fukushima 50」で、キャリア史上初となる映画音楽に参加することが発表された。
福島第一原発事故の関係者90人以上への取材を基につづられた、門田隆将のノンフィクション作品「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」(角川文庫刊)を映画化した本作は、東日本壊滅の危機が迫る中、死を覚悟して発電所内に残った人々の知られざる“真実”を描く物語。
世界を舞台に活躍する五嶋は、7歳という若さで音楽家デビューを果たすと、幼少期から“神童”として注目を集めてきた。また、「題名のない音楽会」(テレビ朝日系)では、歴代最年少司会者として番組の顔を務めるなど、音楽活動の場も多岐にわたっている。
活躍の場は日本国外にも広がっており、ワシントン・ナショナル交響楽団、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン交響楽団など、世界各地の名門オーケストラ、著名指揮者との共演も果たし、国際的にも高い評価を得ている。
今回解禁となった本作の映画音楽には、五嶋の他にも、2012年の大河ドラマ「平清盛」(NHK総合ほか)のエンディング・テーマ曲演奏などを担当したチェロ奏者の長谷川陽子、現存する日本最古のオーケストラ・東京フィルハーモニー交響楽団も参加している。
主題は、アイルランド民謡の「ダニーボーイ」。この曲の歌詞にはさまざまな翻訳が存在するが、その中の一つ、戦場におもむく息子が無事に帰って来ることを望む親の気持ちを表すという解釈が採り入れられ、本作を盛り上げる楽曲のメインテーマとして採用された。
音楽を担当した岩代太郎との録音現場では、本編映像を見ながら何度も弾き直し、ディスカッションを行い、楽曲の完成度を高めていった五嶋。
壮大なテーマに寄り添い、重厚なドラマに思いをはせた、音楽家たちの熱い演奏となっている。
天空に瞬く星が、愛と勇気に支えられた宿命を語る。何光年にも受け継がれるであろう精神が、僕の初めてかかわることのできた映画音楽「ダニーボーイ」を主題にした「Fukushima 50」の一節と帰郷することを、信じたい。
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