80年代アイドル出身の女優たちが朝ドラで母親役を演じることに、視聴者からは歓喜とも呼べる声が上がっている。
「エール」では「菊池桃子と薬師丸ひろ子がそろってお母さん役をやる時代がくるなんて」「毎日薬師丸ひろ子か菊池桃子が登場する『エール』は夢のようなドラマ!」など当時を知るファンの声に加え、「菊池桃子さんも薬師丸ひろ子さんも、主人公とヒロインに負けないくらい輝いてる。昔のアイドルはすごい」など、その魅力を改めて知る世代からも驚きの声が上がる。
同様に、富田が出演した「スカーレット」や原田が注目された「半分、青い。」、そして小泉と薬師丸を擁した「あまちゃん」放送時も、アイドル時代を知るファンからの感慨深げな声が飛び交っていた。
彼女たちが今ふたたび注目を集める理由のひとつが、変わらない美貌にあることはいうまでもない。さまざまな経験を重ねて身につけた演技力も大きな魅力だ。加えてアイドル当時を知るファンにとっては、10代の頃から憧れ、見守ってきたからこその親しみやすさも欠かせないポイントだろう。
だが、彼女たちの演じる朝ドラ“母親役”が広く愛される理由はそれだけではない。
男女平等の価値観が浸透しつつある中で、女性の人生をテーマにすることが多い朝ドラでの母親の役割も変わってきている。現代が舞台の作品はもとより、女性は控えめがよしとされていた大正・昭和初期が舞台の作品でも、「エール」の光子のように自分の意見を持ち、わが子の夢を積極的に後押しする個性的な母親が増えているのだ。
80年代に颯爽(さっそう)と現れて新時代を作ってきたアイドルたちの強さ・新しさは、そんな進歩的な母親像に重なる。一時代を築き、キャリアを重ねた今も色あせることない輝きを放つ彼女たちだからこそ、若い主人公たちの道を示す“かっこいい母親”にぴたりとハマるのだ。
今の時代だからこそ存在感を発揮する、80年代アイドル出身の朝ドラ“母”女優から目が離せない。
この記事の関連情報はこちら(WEBサイト ザテレビジョン)