“親子グータッチ”で泣かせた井之脇海、心の変化を演じて光る24歳<アンサング・シンデレラ>

2020/08/07 10:18 配信

ドラマ コラム

「アンサング・シンデレラ―」第4話では、羽倉龍之介役(井之脇海)の親子関係が描かれた(C)フジテレビ

龍之介が「薬剤師も患者の力になれる」と主張


ところが龍之介は、みどりの仕事の姿勢を見て徐々に心を変化させていく。

龍一の物忘れの症状から、普段摂取する薬の飲み合わせを疑うみどり。医師である龍一は「薬剤師に何が分かる」と聞く耳を持たないが、みどりと龍之介は協力して龍一の妻が記した薬のメモを丹念に調べ上げ、龍一の多剤摂取を見抜いたのだ。

龍之介は「認めろよ、あんたを救ったのは薬剤師だ!」と父に強く主張し、「医者じゃなくたって患者さんの力になれる」と自身のプライドを取り戻した。

人間の"心の変化"を表現する井之脇海


1995年生まれ、神奈川県出身で、2008年に映画「トウキョウソナタ」で複数の新人賞を受賞した井之脇。子役からスタートしている彼の芝居は「心の変化」を演じると光る。

第3話まで何の問題も抱えていなそうだった龍之介が、実は根深い親子関係に悩んでいたこと。そこからプライドを取り戻し、父へ自身の成長を強く誇示。幼かった自分がかつて“ヒーロー”と信じていたときに父と交わした“グータッチ”を再びできるまでになったという、徐々に変わっていく気持ちの流れを、繊細かつ誠実に演じている。

“ぎぼむす”と親しまれた「義母と娘のブルース」でもそうだった。亜希子(綾瀬はるか)を義母に持つみゆき(上白石萌歌)の幼なじみ・大樹役を演じた井之脇は、幼いころはみゆきを「ブス、ブス」といじめる男子だったが、思春期を迎えた大樹は甘酸っぱい恋心を募らせイケメンに成長。みゆき&大樹カップルのファンを生み出した。