【「DOCTORS」比嘉愛未に直撃1より続く】宮部佐知役・比嘉愛未へのインタビュー後編。
――相良先生(沢村一樹)が厳しく接するのはやっぱり佐知に成長してほしいと願ってのことですよね?
確かに私への当たりは厳しいです。もちろん、どうでもいい人ならそんなに関わらないはずなので、成長を願ってのことでしょう。相良先生なりのさっちゃんへの優しさというか、思いだと思うので、うれしいです。
私自身だったらそんな回りくどい言い方をしないで、ハッキリ言ってくれたら良いのに…って思ってしまうんですけど、相良先生はそこで答えを出すのではなく、最後に実感させる手腕がすごいんです。人間を操る能力はすごいなと思うし、策士です。
それを紡ぎだす、福田靖さんの脚本は毎回素晴らしいなと思います。病院モノの中に、社会のいろんな組織に通じるものがあるし、人の良いところを伸ばす、という意味では教育にも良いところがたくさんあるので、幅広い層に見ていただけているのかなと。
私自身も見ていて勉強になるフレーズがいっぱいあるなと思っています。
――ナースの皆さんも割と3シーズン固定のメンバーでやってらっしゃいますが、現場の雰囲気はいかがでしょうか?やはりおしゃべりで盛り上がる感じですか?
盛り上がっちゃいますね~(笑)。年代はバラバラですが、やはりシーズン3ともなると、居心地もいいですし、普段から他愛もない話をしています。
ナースステーションでのシーンは、リズムとかテンポ感が大事なので。念入りに打ち合わせをします。奇麗にハマったとき、みんなでやりとげた達成感があって、病み付きになりますね。単独プレーじゃなくて、チームプレーが楽しい。
そういうのって初めて同士の距離感だとうまくいかないこともあると思いますが、この3年間で築き上げてきたものがあります。この現場はあうんの呼吸の重要性など、勉強になることもたくさんありますね。それぞれの演技プランとかをしっかりと持っていらっしゃる役者の方が多いので、演じていて本当に楽しいです。
――シーズン3の後半になるにつれてナースの皆さんの立場が強くなって、“チーム森山”とも対立していますね。
それが傲慢(ごうまん)に出しゃばっているように見えないように心掛けました。私たちナースはナースとして、相談して言うことは言う、という強さはブレないように、ということを意識して演じています。
――今回から瀬戸先生(浅利陽介)が新しく加入されましたが、病院に新しい風が吹いていますか?
はい。浅利さんが見事に新しい風を吹き込んでくれています。
これで共演が2度目なんですが、以前共演したのも別の局の医療ドラマで、私がベテランナース、向こうが研修医という設定だったんです('08・'10年フジテレビ系「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命」)。「あれ?今と変わってないじゃん!」って思いました(笑)。
今回は一緒のシーンはあまりなかったんですけど、本当に面白い縁ですよね。浅利さんの良さは、かわいらしさというか、親近感を抱かせる人柄かなと思います。
芸歴はすごく長く、私なんかよりも大先輩なんですけどね。自然にス~っと私たち「DOCTORS」チームになじんで入ってきてくれたな、と感じました。あたかもシーズン1から居たかのようなナチュラルな存在感に驚きました。
この前、ナースステーションに女性メンバーとドクターたちがいるシーンがあって、そこに浅利さんもいたんですが、全然違和感がないんですよ。むしろ毎回いてほしい、と思ってしまうくらいなじんでいたので、面白い方だなと思いました。
新しい風が吹いたおかげでより良くなっている印象です。チームの輪が大きくなっている感じで、作品と役が成長しているんだなぁと思いますね。
――では、最終回の見どころを教えてください。
まず、“生体ドミノ肝手術”というとても大きな手術シーンがあります。医療モノということで、今までにない大がかりな手術をすることになりますが、その結末がどうなるのか。
そして最終的に病院がどのように復活していくのか、というところが大きな焦点ですね。これで「はい、終わり!」っていう終わり方はイヤなので…。
目指せ!「水戸黄門」(TBS系)だと思っているので。もしくは「渡る世間は鬼ばかり」(TBS系)かな。あ、どっちも違う局だ(笑)。
じゃあ、分野は違うけど目指せ「相棒」ですかね。水谷豊さんと伊藤蘭さんの夫婦対決!みたいな(笑)。それは冗談ですが、内容的にはそれくらい続けられる作品だと思うので、期待しています。医療モノだし、みんなが辞めない限り続くと信じて。作品と共に私もだんだん老けていって(笑)。そういうのってなかなかないと思うので、完結せずに視聴者の皆さんの心にずっと残ってほしいなと思います。
――では、読者からの質問です。「相良先生は佐知に厳しく接して伸ばそうとしますが、比嘉さん自身は褒められて伸びるタイプなのか、はたまた厳しくされないとダメなタイプなのか、どちらでしょうか?」(東京都、30代男性)
これは難しい質問ですね!(笑)でも、私は褒められると裏があるんじゃないかと思ってしまいます。うれしいんですが、だったら「こういうところがダメだよ、足りないんだよ」と言われた方が良いです。負けず嫌いなので「ヨシ!克服してやろう」と思いますし。
もちろん最初はすねると思いますよ(笑)。でも、そっちの方が後々効いてきますし、長い目でみたら絶対そっちの方がいいです。
――「万が一、比嘉さんが盲腸などにかかってしまって、外科的手術が必要になってしまったら堂上総合病院のどのドクターに執刀してもらいたいですか?」(沖縄県、20代女性)
相良先生です!もちろん!(笑)って、どういう質問なんですか(笑)。
そりゃ森山先生だって素晴らしいドクターなんですよ(笑)。でも…人格的に怖い部分があるので、相良先生ですね。
――ちなみに比嘉さんがドクターとして入るとしたら、チーム森山か相良派かどっちですか?
難しいなあ。楽しそうなのはチーム森山ですよね。私もあちらに入って、みんなで「プロースト!」(=ドイツ語で『乾杯』。森山先生の口グセ)とか言いたいですよ(笑)。だから、ドクターとして入るならチーム森山かなぁ。
相良先生はデキすぎちゃうので、逆に劣等感を感じちゃうと思うんですよ。強いて医者として入るとしたらチーム森山でお願いします。
本当に楽しそうなんですよ。私はチーム森山の現場にはいないので、いつもテレビで見ているんですけど、「皆さんこんなにはじけているんだ~」って思います(笑)。
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