'16年1月4日(月)夜9時からフジテレビで、湊かなえ、三浦しをん、角田光代という女性作家の傑作短編小説を映像化したオムニバスドラマ「女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘」がオンエアされることが決定した。
■第一話は、湊かなえ原作「ムーンストーン」。出演は永作博美、檀れい、村上淳、滝藤賢一、柄本明。
主人公は、閑静な高級住宅街で何不自由なく暮らす市議会議員の妻(永作)。
夫が県会議員選挙で落選したことをきっかけに、夫から日常的なDV被害を受けていた妻が、夫の暴力から娘を守ろうと抵抗したはずみで、夫を殺してしまう。逮捕され、警察から取り調べを受けていると、ある女性が現れる…というストーリー。
永作は「秘めているものが深くて広い作品だと感じました。湊さんの小説は、淡々と読み進められるのに、読むスピードと書かれている内容のギャップが大きくて、不思議な空間に連れて行かれるような印象があります。
(主人公の女性は)非常に正義感の強い女性です。現代と中学校時代、二つの時代が出てくる作品ですが、中学校時代の体験が、大人になってどのように変化していくのかが描かれていきます。
演じる“私”は、間違いなく正義感を持って生きてきたつもりだったけれど、ある日をきっかけに人生が止まってしまう。動き出すきっかけは何だったのか、そこがとても重要な一人の女性です」とコメントを寄せている。
■第二話は、三浦しをん原作「炎」。出演は土屋太鳳、門脇麦、村上虹郎、柄本佑。
毎朝、通学バスで登校する高校生の香川亜利沙(土屋)の日課は、憧れの先輩・立木尚吾の横顔を眺めること。
図書委員の亜利沙は、図書室で仕事をしながらも、テニス部で練習に励む立木の姿を追ってしまう。
そんな憧れの立木がある日突然、学校のテニスコートで焼身自殺。
一瞬の出来事に衝撃を受けた亜利沙だったが、その後、立木と親しかった楢崎初音(門脇)とともに自殺の原因を探っていく…というストーリー。
土屋は「この作品は、女性特有の、そして大人になる前の10代特有の物語だなと感じています。10代の女子が持つ、ある種の“怖さ”を煮詰めて、煮詰めて、“毒の結晶”にしたような作品だなと思いました」と印象を語る。
■第三話は、角田光代原作の「平凡」。鈴木京香、寺島しのぶ、染谷将太、寺脇康文。
宮本紀美子(鈴木)は、結婚生活も20年を越え、近所のスーパーでパートをしている主婦。子供はおらず、夫との会話の中に子作りの話題が出なくなって久しい。
紀美子がテレビをつけると、紀美子の中学高校の同級生・榎本春花(寺島)が出ていた。
春花は人気料理研究家で、テレビに出ない日はないほどの有名人になっていた。
彼女の活躍を見るにつけ、自分が地味で不幸に思えてしまう紀美子は、春花に会えば、退屈な毎日から脱却できるのではと考え、ツイッターを介して連絡を取る。
しばらく返信はなかったものの、突然、春花から「会いたい」というメッセージが入る。
喫茶店で20年以上ぶりに再会を果たす二人。思い出話に花を咲かせる中、突然、春花が「私、人を殺したかも」とつぶやく…というストーリー。
鈴木は「原作とはだいぶイメージが変わった印象でしたが、年月を超えて“女性の友情”はどう続いていくのか、またどういう思いで対面し、再会を果たすのかなど興味深い内容は同じです。
幼なじみは私がテレビや映画などに出る仕事に就いたことを、どう思うのかと想像しながら、役のことを考えました。
お互いに友情の掛け替えのなさを感じているからこそ、会うまでは緊張するし、自分がつまらない大人になっていると思われたくないからこそ、少し背伸びもすると、女性特有の心情が丁寧に描かれていると思います」と台本の感想を語った。
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