大河ドラマ「真田丸」が、ついにクライマックスとなる戦い“大坂の陣”に突入。その激闘の舞台であり、タイトルの基にもなった出城“真田丸”は、巨大なセットが組まれ、大規模な撮影が行われた。今回、主演の堺雅人が、出城“真田丸”のロケセットで、“大坂の陣”の撮影に臨んだ際の思いを語ってくれたインタビューを公開!
「まず、ここでの撮影がたった2日で終わるのは非常にもったいないなと思いました。それくらい、視聴者の方にもスケールの大きさや、当時の緊張感が伝わるセットになっていると思います。天候不順など心配もありましたが、スタッフさんが頑張ってくれましたしね。実際の城を守るのも大変ですが、セットを守るのも本当に大変だろうなと思います」
本作では数少ないロケ撮影だが、その解放感を楽しんだよう。
「正直に言うと僕はインドア派なので本当はスタジオが大好きなんです。でも、やはり解放感がありますし、幸村が秀吉に仕えていたころから、密室を舞台にした、緻密な芝居が続いてきたので、こんな大運動会みたいな撮影もたまにはいいですね」
リラックスした表情を見せる堺だが、その衣装は初回冒頭のシーン以来となる“赤備えのよろい”。久しぶりに、真田幸村の象徴に身を包んだ。
「初回のときは、よろいがものすごく重く感じて『これで一年間持つのかな…』とまで思ったんです。でも、今回は動きやすく軽く感じられて、それが意外でした」
当初は「まだ頭の中で考えただけの芝居なので、一年演じたあとに、それがどう変わっているかが楽しみ」と語っていたが、やはり1年を通しての変化は大きかったよう。
「そのときはよろいも新品臭がして、まだまだプラモデルとか模型のような感じがしたんです。それも格好良かったんですが、シーンを重ねるうちに、汚れてきて、いい意味で“道具”になってきた。自分になじんできたと同時に、きれい事だけでない何かがくっついてきたんだろうなというふうに感じて、気に入っています」
劇中での幸村も、大坂の陣では、これまでとは大きく違った立場に立たされることになる。
「これまで、昌幸が立てた戦術に沿って戦うだけだった幸村が、軍を指揮するようになります。この砦を突破されてはいけない、という責任のあるポジションですが、僕自身は堤防を守る市役所の土木課長や、マシントラブルがあって駆け付けた技術者といったイメージで演じています。僕はどうしても、幸村に公務員を重ねてしまうんですよね(笑)。やっていることは、人を殺すという残酷なことなのですが、彼自身の意識は“持ち場を守る”という一点に集約されるような気がする。
戦場なので『われこそは、真田左衛門佐幸村!』と格好良く名乗りを上げるシーンもありますが、それも現代に言い換えれば『赤坂署の者です!』みたいな感覚で、いわゆる“戦国武将らしい”威勢の良さとは違うもの。今、止めないと困ったことになるから『止まりなさい、そこの車両!』と叫んでいる警察官と近いと思っています」
大河ドラマ「真田丸」は、毎週日曜の夜8時からNHK総合でオンエア中。11月13日(日)には第45話が放送される。
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