テレビ朝日系で、仲間由紀恵主演の「二夜連続ドラマスペシャル アガサ・クリスティ そして誰もいなくなった」が今春放送されることが分かった。
1939年に刊行され、全世界で累計1億部以上を売り上げているアガサ・クリスティの長編推理小説「そして誰もいなくなった」は、絶海の孤島にあるホテルに招待された10人の客が一人、また一人と殺されていき、ついには全員が殺され、後日10体の死体が発見されるという“クローズド・サークルミステリー”の代表作品。
これまで日本でたくさんのオマージュ作品が作られてきたが、映像化されたことはなく、今回が日本初の映像化作品となる。
主演を務める仲間は、孤島のホテルに招待され、不可解な連続殺人事件に巻き込まれていく元水泳選手の白峰涼を演じる。仲間は、映画「リング0 バースデイ」('00年)で貞子を演じた際、「ボコボコに殴り殺されて、井戸に捨てられた」経験があるというが、テレビドラマでは初めて殺される役に挑む。
仲間は「アガサ・クリスティというとても偉大で有名な作家の作品を日本で初めて映像化されるということで、とても楽しみに撮影に入りました。台本、そしてもちろん原作も、読めば読むほど怖いお話。登場人物みんなが抱えている問題があり、実はそれが“人間の一番怖いところ”だった、ということが分かっていくラストまでとても緊張感のある作品だと思います」と明かす。
また、涼と孤島のホテルに招待される客として、渡瀬恒彦、津川雅彦、余貴美子、柳葉敏郎、大地真央、向井理、國村隼、橋爪功、藤真利子と豪華なキャストが集結する。
人気新進ミステリー作家・五明卓を演じる向井は「キャストの中で僕が最年少なのですが、皆さんから撮影中にいろいろなお話を聞けること、お芝居を目の当たりにできることがとても楽しみです。全員が殺されてしまうとは分かりながらも、視聴者の方々はそのタイミングや順番、殺され方などに注目し、推理を楽しんでいただければと思います。僕も、それをうまく裏切れるよう頑張ります」と宣言。
軍事評論家で元傭兵のケン石動(いしるぎ)を演じる柳葉は「アガサ・クリスティという“普通ではない世界”を生きることになるので、お声を掛けていただいた時からとても楽しみにしていました! 楽しみにしていた分、自分でもプレッシャーを背負わなくてはいけない、という良い緊張感の中、共演者の皆さんも監督もよく知った方々なので、とてもいい人間関係の中、撮影を進められていると思います」と語る。
東京中央救急センターの外科部長・神波江利香を演じる余は「登場人物が一人ずついなくなっていくという不吉な状況の中で、それぞれの人物の精神状態がどうなっていくのか、そういったところを楽しんでいただけたらと思います」と期待を込める。
元刑事で現在は探偵業を営んでいる久間部堅吉を演じる國村は「今回の脚本を読みながら、すっかり忘れていたんですが、随分昔に舞台でアガサ・クリスティ作品と出合っていたのを思い出しました。今回、改めて作品と向き合ってみると本当のスタンダードとしてアガサ・クリスティがつくりだしたトリックの数々、サスペンスの中の謎解きは時代を超えて愛される普遍性を持った作品なのだ、ということがよく分かりました」と熱弁した。
ホテルの執事・翠川信夫(橋爪)の妻・つね美を演じる藤は「わたしは某局のサスペンス劇場で“最多犯人役”という記録を持っていますので、きっと視聴者の皆さんはどこから見ても私が犯人だと思うのではないでしょうか…。これまで殺すほうが専門でしたが、今作では初めて殺されることになります(笑)」と意外な告白を。
元銀幕の大スター・星空綾子を演じる大地は「今回は、原作よりもやや華やかなキャラクターに描かれている綾子ですが、その内に秘められた、ちょっと屈折している本音も表現できれば…と思っています。すてきな作品に仕上がる予感と手応えを感じています」と意気込んだ。
ホテルの執事・翠川信夫を演じる橋爪は「50年ほど前に『そして誰もいなくなった』の舞台を上演したときに役者ではなく“照明係”として携わっていたんです。いつか日本で映像化をするときには、ぜひ出演したいと熱望しておりましたので『やったー!』と思いました。私が演じる役は、これまで外国で作られたどの作品の中でも怪しさ満点なんです」と笑顔を見せる。
元衆議院議員の門殿宣明を演じる津川は「アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』は欧米式ミステリーの教科書のような作品。共演の方々も素晴らしい方ばかり、そして監督も気心の知れた和泉聖治監督ということで、お芝居をしていてとても楽しい毎日。久しぶりに“ドラマらしいドラマ”が出来上がるのではないかと思っています」と明かした。
元東京地方裁判所裁判長の磐村兵庫を演じる渡瀬は「このような作品が日本でできるとは思っていませんでしたし、ましてやそれに自分が参加することができるとは思ってもいませんでした。キャストの皆さんもそれぞれクセがあるというか、クサイというか…(笑)。そういう方々ばかりが集められていますので、期待しています!」と語った。
物語は、八丈島沖に浮かぶ孤島・兵隊島に立つ「自然の島ホテル」のオーナー・七尾審により10人の男女が島に呼び寄せられることから始まる。招待状を受け取りやって来た8人は、到着するとホテルの執事夫婦からオーナーは不在だと告げられる。これから何が起こるのか、なぜこの島に招待されたのか、期待と不安に包まれながら夕食をしていると、突然どこかから彼らの過去の罪を暴露する“謎の声”が聞こえてくる…というストーリー。
仲間は「一人、また一人と死んでいき『次は自分なのではないか』という恐怖感を抱きながら精神的に追い詰められていく登場人物たち。そして自分たちの中にある“罪への真実”と向き合う間もなく殺されるという恐怖やパニック状態の表現は難しいところかな、と感じています。演じている私たちも完成を楽しみにしておりますので、皆さんも存分に怖がって、楽しみながらご覧ください」とアピールした。
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