ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第116回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞 受賞インタビュー

(C)TBS

大泉洋

50歳の年に福山さんとお仕事できたことは、いい節目になりました

2007年の「暴れん坊ママ」以来、2度目の助演男優賞となります。

そうですか。もう16年もたってたんですね。「ラストマン-全盲の捜査官-」は、僕自身、一人の視聴者としても楽しく見させていただいた作品なので、その作品で賞を頂けるというのは本当に幸せなことです。

東仲(恵吾)プロデューサーから、護道心太朗は初期設定では腕利きのエリートだったと。それを大泉さんのアイデアで「叩き上げ」という設定になったと聞きました。

そんなこともありましたね。その時点ですでにストーリーの大枠は聞いてはいたんですよ。それで、心太朗のキャラクターを考えたらエリートよりも叩き上げの方がストーリー的にも合うんじゃないかなと。


他の作品でもそうしたキャラクターの立ち上げの部分から関わることが多いんでしょうか。

いやいや、そんなことはないです。基本的に僕は自分からあまり何かを言うような役者ではなくて。ただ、引っかかることがあったら、演じる上で違和感を感じてしまうので、そこをできるだけなくせるように、とことん話し合うようにはしていますね。


心太朗を演じる上で、どんなことを意識していましたか。

今回は、福山(雅治)さん演じる皆実(広⾒)と心太朗の出自に関して深いストーリーがありましたからね。展開がシリアスだからこそ、皆実とのやりとりの中でいかにコミカルな部分を出していけるかが僕の勝負でした。


各話のラストで画面が暗転してから交わされるやりとりが、視聴者の間でも話題になっていました。

実はあそこは最初からああいう感じだったわけではないんです。台本には「2人でインスタでもやりますか」「お断りします」までしかなくて。現場で「M-1でも出ますか」「出ません。あなた、日本に何しに来たんですか」というのを足したら、監督の土井(裕泰)さんがあんなふうに面白くしてくださって。それをオンエアで見て、これ面白いねということで、そこから福山さんもいろいろ遊びはじめたんです。

だから、あのやりとりを考えているのは基本的に福山さん。最初は福山さんがアフレコで足していったんですけど、後半になるにつれ「洋ちゃんも足さない?」と言われて、後から僕も声だけ録るようになって。

最終回も、さあ福山さんはどんなネタを考えてくれるのかなと楽しみにしていたら、「あなたとはいいバディになりそうです」という福山さんの声は入っていたけど、僕の受けはお任せだったわけです(笑)。しかも、その時、僕はもう別の舞台に入っていて、大阪公演の最中だったから。大阪で心太朗の返しだけ録ったのを、よく覚えています(笑)。


王林さん演じる難波望海を含めてのスイートルームのやりとりでも、大泉さんのアドリブなのかなというツッコミが炸裂していました。

ある程度は台本に沿ってやっていますけど、もっと濃くできるところは濃くしてみたり、細かいツッコミはちょっと台詞を変えてみたり。そういう現場のライブ感はありましたね。福山さんの物まねに関しては、もう僕が自由に入れています(笑)。どんなに心太朗がシリアスなやつでも同僚の物まねくらいはするでしょうと。だから、チャンスがあればやっていくというスタンスで、できそうなところではどんどん入れていきました。


最終話で津田健次郎さん演じる鎌田國士の「腹減ってないか」がアドリブだったという話を聞いたのですが…。

そうですね。ト書きではうめき声としか書かれていなかったんですよ。でも現場でやってみたら、うめき声では何を言っているのか分からなくて。これは一体何と言おうとしているんだろうねという話をしているときに、津田さんが「腹減ってないか、と言ってるんじゃないか」と。素晴らしいセリフだと思ったし、心太朗としてもそれで気持ちがグッと動くので、ここはもう「腹減ってないか」とはっきり言った方がいいんじゃないかという流れになりました。


黒岩(勉)さんの書いた脚本を大切にしながら、さらに作品を面白くするためにみなさんがアイデアを出し合う現場だったんですね。

そうですね。だからその後、心太朗が「ごめんね」と言うんですけど、あれももうその場で自然と出てきたもの。「お父さん」と言いたいという話は最初からしていたんですけど、「ごめんね」はもうその場で出ちゃった。今思い出しても、あのシーンはすごかったね。みんなヘトヘトでしたけど、本当に気持ちを持っていかれるシーンでした。


オンエアでもかなり長いシーンでしたが、撮影も相当時間がかかったのではないでしょうか。

トータルで言うと、24時間以上やってたんじゃないですか。台本で50ページぐらいあって。それを最初は1日で撮ろうとしてたので、無理じゃないかという話になって。で、2日に分けることになったんですけど。実はその間に僕、1回、レギュラー番組の収録があったんで、北海道に帰ってるんです。


感動のシーンの間に、ずいぶん気さくな仕事をしていたんですね(笑)。

そうそうそう(笑)。だから、バラエティーやりながら気が重かったです。これ終わって帰ってから重いシーンがまだあるんだよな、みたいな(笑)。確か心太朗がガクッと座るところで1日目は終わりで。残りは何日か空いてから撮りました。


最終回で言うと、ラストの皆実との抱擁のシーンも感動的でした。

あそこもグッと来ますよね。僕も見ながら、病院のシーンで泣いちゃいましたけど、その後さらに空港でもう一発来るかって思いましたよ(笑)。

現場では何回も同じシーンを撮るから、僕と福山さんのおじさん2人が、成田空港で何回抱き合うんだって感じなの(笑)。ずっと抱き合ってるんだもん。その間、団体客の方たちが通り過ぎるのを待ったりして。周りからの「おじさんたちが抱き合って何やってんだろう」みたいな視線を感じながらの撮影でした(笑)。そんな中でも福山さんが「(福山さんのまねで)何回でも泣ける」と言ってたのを覚えています。やるたびに泣いちゃうって。それぐらい泣けるシーンでしたね。


最終回のオンエアが終わってから、改めて福山さんとは何かお話しになりましたか。

「洋ちゃん、まだまだお互い褒め足りないから、1話から見ながら、お互いを褒め合うご飯会をしましょう」と言ってました(笑)。今回の現場では、福山さんが今後の自分の仕事の仕方とか、そういういいお話をいっぱいしてくださったんですよね。僕も今年で50歳になりましたが、その節目の年に福山さんとこうしてお仕事できたことは、自分にとっていい節目になりました。


最後に、たくさんのファンのみなさんが続編を楽しみにしていますが、大泉さんの気持ちはいかがですか。

僕もぜひやりたいなとは思っているけど、はたしてこれだけの出演者のスケジュールがいつ合うのかっていう。こういうのをやるときは、最初の段階で続編まで見越してスケジュールを切っとかなきゃダメですね(笑)。今回はそこまで考えていたわけではなかったので、ファンのみなさんにはちょっとだけお時間を頂く可能性が高いですが……。僕としても続きが楽しみな気持ちはあるので、できればあまり年を取り過ぎないうちにまたやりたいですね。
(取材・文=横川良明)
ラストマン−全盲の捜査官−

ラストマン−全盲の捜査官−

全盲の人たらしFBI捜査官と、犯人逮捕のためには手段を選ばない孤高の刑事がバディを組んで難事件に挑む姿を描く完全オリジナルドラマ。警察庁人材交流企画室の室長・護道(大泉洋)は、アメリカから期間限定で交換留学生として来日したFBI特別捜査官・皆実(福山雅治)のアテンドを命じられる。

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