ザテレビジョンがおくるドラマアカデミー賞は、国内の地上波連続ドラマを読者、審査員、TV記者の投票によって部門別にNo.1を決定する特集です。

最優秀作品賞から、主演・助演男女優賞、ドラマソング賞までさまざまな観点からドラマを表彰します。

第121回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞 受賞インタビュー

撮影=西村康

松村北斗

「ダメでもいいんだよ…」は今も大切にしている言葉の一つ

受賞のご感想を一言頂けますでしょうか。

この度はこのような輝かしい賞に選んでくださり、本当にありがとうございます。まさか僕が頂けるとは思ってもいませんでした。今は驚きが喜びを超えてしまい冷静になれていません。

同時期に放送されていたドラマを見ながら、僕もこんな素晴らしいお芝居ができるようになりたいと何人もの俳優さんに思っていました。しかし、総合芸術と言われる通りに、素晴らしい作品は一人一人を想像以上に魅力的に見せてくれるものなのだと身をもって体験しました。かけがえのない経験です。

楠見俊直を演じるに当たり、意識されていたことを教えてください。

父親になった経験がないので、娘役の倉田瑛茉ちゃんととにかくずっと一緒にいて、たくさんのことを経験することで自分にないものを作っていきました。瑛茉ちゃんには感謝してもしきれません。


ルカ役の倉田瑛茉さんとのコンビに“最高の親子で賞を挙げたい”という声も多かったです。仲良くなるために最初にしたこと、また一番の思い出を教えてください。

最初はとにかくそばにいて、全ての気まぐれに付き合うことから始めました。次第に頼ってくれるようになり、関係性が深まっていきました。一番の思い出は、突然言われた「パパかっこいいからLINEしたい」という言葉です。僕はとてもうれしくて、「将来パパと結婚する!」と言われたときの父の気持ちが少し分かりました。


楠見くんは、悩んだり迷ったりする場面も多かったですが、印象に残ったシーンやセリフはありますか?その理由も教えてください。

「ダメでもいいんだよ。ダメでもダメじゃないんだよ。だってそれも楠見くんじゃん。それを否定する権利なんて誰にもない、楠見くんにもない。ねえ、悲しむ時間もない生活の方がもっともっとダメだよ」。

このセリフは文字で見ている時と、実際に現場の声で聞いた時の衝撃は圧倒的に違いました。きっと誰かに、こんな言葉を声に出して自分のためだけに言ってほしかったのだなと、それは僕だけではなくみんなそうなんだろうと深く感動しました。作品が終わった今も大切にしている言葉の一つです。


劇中での楠見評は「鯛の冷やし茶漬けみたい」とされていましたが、松村さんの中の楠見評はどんな感じでしょうか。また、視聴者の中には楠見くん=松村さんと見る方もいたかと思いますが、ご自身は「鯛の冷やし茶漬けみたい」な部分はありますでしょうか。

セリフを聞いた時は、冗談のひとつくらいに捉えていました。僕は楠見を実情と表面がかなり違う存在と捉えていました。それが最終話にかけてリンクしていくことも楠見の特徴だと感じていました。その観点からいくと、表面的な印象の「鯛の冷やし茶漬け」はピッタリだと思いました。反響から考えると、きっと僕自身も相当「鯛の冷やし茶漬け」なんだなぁと自覚しています。


登場人物それぞれが個性豊かで、心温まるシーンがたくさんありました。松本若菜さんをはじめ、共演者の印象や学んだことなどあれば教えてください。

松本若菜さんは、お芝居が素晴らしいことはもちろんのこと、撮影初日から全スタッフさんの名前を覚えていたことが特に印象的でした。細やかに、名前を呼びつつ声をかけていき、現場が仕事をするだけではなく人間関係がきちんと生まれる温かく団結力の強いものになっていきました。この精神を人として尊敬し憧れています。


「西園寺さんは家事をしない」は、今回のドラマアカデミー賞の最優秀作品賞にも輝いています。たくさんの方から 「西園寺さんは家事をしない」が支持された結果かと思います。番組のファンの方へメッセージをお願いいたします。

何よりもこのような賞に選ばれるほど、たくさんの方にとって大切な作品であったこと、1週間の楽しみであったことを本当にうれしく思います。そして、その思いを投票という形に変えてくださった皆さま、本当にありがとうございました。今後も皆さんや作品の力になれるように成長していきますので、応援していただけたらうれしいです。
西園寺さんは家事をしない

西園寺さんは家事をしない

ひうらさとるによる同名コミックを実写ドラマ化。徹底して家事をしない主人公・西園寺さん(松本若菜)と年下の訳ありシングルファーザー・楠見(松村北斗)とその娘が、ひょんなことから“偽家族”として同居することになる。そんな同居生活を通して「幸せって何?家族って何?」を考えるハートフルラブコメディー。

第121回ザテレビジョンドラマアカデミー賞受賞インタビュー一覧

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