冒頭、描き出されるのは武藤家の一家4人のとある日常。母・マリ(佐々木)は飛行機で羽田を目指し、将来を期待される陸上部員・歩(上田)は練習に没頭。小学2年の長男・剛(村中)は自宅でゲームに夢中で、父・航一郎(てらそま)は工事現場で高所作業の真っ最中。
そんな日常を、突然の揺れと地震速報が襲う。続けてやってきた、大きな地鳴り。次の瞬間、武藤家はそれぞれの場所で未曾有の事態に襲われる。
前半では、大災害の後に襲い来る、究極の危機に直面した衝撃的な日本の姿、目をおおいたくなる“恐怖と脅威”の数々が描かれる。いまだ脳裏に震災の記憶を生々しく残す私たち日本人にとって、冒頭で描かれる地震シーンのインパクトは強烈だ。目をそむけたくなる人もいるかもしれない。
後半にかけては一転、絶望的な状況の中でも立ち上がり、再生に向かって進もうとする、さまざまな人の姿、彼らの“生きる”という力強いメッセージが、アニメーションならではの躍動感あふれる映像とともに、リアリティーを持って迫ってくる。
配信版公開後、さまざまな賛否の声が上がった本作。だが、実際に視聴したファンからは「この作品で描かれる希望は本物だ」「ヘビーだけど、見る価値のある作品」「幾度も訪れる絶望の中にかすかに差し込む希望に心洗われた」といった声も寄せられている。
沈みゆく日本、人々がどこへ向かい、目の前の事態をどう見つめるのか。否応なく究極の選択を突きつけられた人々が向き合う“現実と再生”の物語だ。
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