今回は、トリックが前作とは全く違っていて、ある意味、ご覧の皆さんが“裏切られる展開”かもしれません。そして、勝呂がシリーズを追うごとに、人間味を増してきている気がしています。
三谷さんは、すでに「黒井戸殺し」を撮影しているころから今作の構想がおありだったようで、「次回は勝呂が淡い恋をする…」とおっしゃっていたんです。そのとおり、今回は女性に囲まれている!という、とても華やいだ心地がしております(笑)。
毎回、謎解きでは長いシーン、長いせりふがありますが、監督からも「3年に1度の苦行をしてください」と言われています(笑)。もちろん、そこが見せ場ですが、僕にとっては1番大変なところでもあります。でもその分、視聴者の皆様には存分に楽しんでいただけると思っています。
熊野古道という日本有数のパワースポットが舞台になっているところも、今回の見どころの1つです。コロナ禍で、家にいる時間も多い昨今ですが、このドラマで皆さんご一緒に熊野を旅しながら、楽しんでいただければと願っています。
「オリエント急行殺人事件」も「黒井戸殺し」も見ていましたから、今回のお話はすごくうれしかったです。しかも、名探偵・勝呂のかつての知り合いだった女性という役。台本が待ち遠しかったです。
映画「死海殺人事件」も見たのですが、エキゾチックな舞台を日本に置き換えても違和感なく、より一層面白い。三谷さんの脚本の素晴らしいところだなと思いました。そして、政治家は1度やってみたかった役でもあります。
昭和30年代の女性政治家は、きっと当時では珍しく、目立つ存在だったと思うので、その役を演じられるのはとても光栄なことです。萬斎さんは、さすが動きが奇麗で、せりふ回しにも品格がある、とてもチャーミングな方。
三谷さんが「ポワロに並ぶ日本の名探偵を作りたい」と、勝呂を萬斎さんにとおっしゃるのが分かるような気がします。
三谷さんの作品で、萬斎さんと共演できるのはなかなかないチャンスだと思い、お話を頂いたときは純粋にうれしく思いました。何と言っても、これまでとはまた違う作品との出会いだと思い、「これは絶対やりたい!」とすぐにお返事させていただきました。
シリアスに、固くなりがちなサスペンスものも、三谷さんが書かれるとどこかユーモアがあって、本当に言葉の魔術師だと思いました。
沙羅という役は、その時代において自立した女性の医者という事もあり、衣装もトラディショナルなファッションで一歩先をいっている人。人懐っこい面もありますが、何より正義感を大事に演じています。
シリーズ第1回の「オリエント急行殺人事件」のときに、ちょうど三谷さんと舞台をやっていて、「オファーしようと思ったけれど、この舞台があるからできないですね」と断念されたので、「今回はようやくできる!」とうれしさ満開でした。
「長野さんはアガサ・クリスティーの世界にすごく合う。とぼけた品の良さというか。だから夢がかなってうれしい」とのお言葉を頂いたので、それを信じて楽しく演じさせていただいています。
過去に2回やっているこのシリーズに出られることになり、「ありがとう!」って感謝しかなかったですね。台本は、細かい笑いなどがいろいろなところにちりばめられていて、まさに三谷さんの世界だなという感じで、楽しく読みました。
その三谷さんからは、「加藤武さん風にお願いしますね(金田一耕助シリーズの警察幹部)」とメールを頂いて。刑事役は何回もやっているんですけれど、警察署長で現場に出ているので「今までの刑事とは違うぞ」と思いつつ「加藤さん風」を意識して…なかなか難しいなと思いながら、楽しんで演じています。
映画「記憶にございません!」(2019年)でジャルジャルの後藤淳平君が出ていたり、芸人さんがたまに(三谷作品に)出られているとは思っていましたが、まさか僕にオファーがくるとは思っていなかったので驚きました。しかも、“こんな豪華なキャストの中に僕でいいのかな?”というのが正直な感想です。
今回の役は、今まで演じたことのない役柄ですので、芸人・坪倉としてあまり経験のないミステリアスで、男の色気みたいなものをちょっと出したいと思っています。ぜひ、ご期待ください!
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