「日本人の魂を感じられる作品」竹中直人、中尾明慶、味方良介が『桶狭間』見どころ語る

2021/03/05 06:00 配信

ドラマ

中尾明慶、竹中直人、味方良介(C)フジテレビ

味方良介コメント


――今回の出演のお話がきた時の感想は?
舞台の稽古中にこのお話をいただいたのですが、“僕ですか?”というのが正直な気持ちでした。テレビドラマの撮影は「教場」に続いて2本目でしたし、本格的な時代劇もあまり経験がなく、まずは、本当に驚きの気持ちが強かったです。

――台本を読んでの感想。

僕自身、あまり時代劇を見る機会が少なかったので、“桶狭間の戦いをやるんだ”というワクワク感と高揚感を感じました。我々の中にも脈々と受け継がれている300年ほど前のこの時代は、こうだったんだなと。そして、これだけ丁寧に、純粋に、この時代の織田信長を描くということがすごく興味深かったですね。僕の役(服部小平太)は実は知らない人物でしたので、深掘りしていくうちに、こういう人がいたんだということを再認識しました。

――役を演じるにあたって準備したことなどは?

京都の撮影現場ももちろんなのですが、はじめてのことばかりでしたので、これは中途半端に下準備をしてもしょうがないと思い、あえて“捨て身で行こう”と思いました。もちろん、この時代の歴史の書物は読みましたし、台本もしっかり読み込んで、芯はぶれないように心がけていたので、これといって他に特別な準備はしませんでした。この作品を通してこの時代を知っていく方が大切なのかなとも思って。現場で実際に“殿(信長)”を見て感じたことを大切にしようと思いました。

――実際に演じられての感想。

僕は津島衆と言われる織田信長に少年期から傾倒する家臣団の一人でしたが、信長様が入ってきた瞬間に、“織田信長だ!本物だ!”とすぐにスイッチが入りました。海老蔵さんのたたずまいは、“きっと織田信長ってこうだったんだろうな”と思わせてくださるものがあり、“捨て身でこの人に仕えていこう”と、自然と立ち振る舞うことができました。

――海老蔵さんの印象は?

まねしようとしても一生できないし、吸収しようとしてもできない。それは殿だけが持っているもので、でもそれをそばで感じることが楽しかったです。普段はフランクで優しい方だし、気を使ってくださったのですが、やはりどこかでずっと緊張感を持ち続けていました。

――他の共演者の方の印象は?

信勝を演じる馬場徹さんとは普段から仲良くさせていただいていたので、“この信勝を謀殺するシーンはどうなるんだろう?”という話をしていました。あの瞬間の小平太は、忠誠のかたまりで、味方良介個人としては、抜群に爽快感は感じました。殿、柴田勝家、信勝、毛利新介だけの空間で、独特の空気と緊張感があり、この作品を通して一番緊張感を感じたシーンです。松田さんは、普段は何を考えているのか、どういうふうに思っているのかわからないのですが、柴田勝家を通して対峙(たいじ)すると、とてつもない熱い魂のようなものを持っていて。小平太はずっと勝家のことを疑い続けますが、最後には、納得させられてしまうのは、松田さんの唯一無二の力があったからだと思いました。津島衆の皆さんとは、はじめは探り合いの状態でした。“でも俺たち、同じ殿に仕えているから仲間だよね?”というように、すぐに一体感が生まれたように感じました。

――はじめての京都での撮影現場の感想。

独特ですよね。こんな世界があるんだ、なるほど!これが、今まで映画やテレビで見てきたものなんだ、というワクワク感。そこに踏み込んだ瞬間に背筋がピンとなるというか・・・スタッフさんもキャストの皆さんも、すごいなと思いました。

――桶狭間の戦いのシーンはいかがでしたか?

僕は殺陣はそこまで得意ではないのですが、河毛監督が“味方は(殺陣が)できる”と胸を張っておっしゃったので・・・できることになっていて。そんな状況で、殺陣のシーンが次々と行われていくのは怖かったです(笑)。 でも“今川(義元)を討つ”という使命感で、合戦という凝縮されたシーンではいい経験をさせていただきました。生き死にが目の前にあり、必死にくらいつきましたね。この時代は周りがどんどん死んでいく中で命をかけて闘っているのですから、自分も命をかけて闘わないといけない・・・と思いました。殺陣の出来栄えはどうだったかはわかりませんが、最後は“なんとか討ち取った”という実感はありました。

――ナレーションを務めての感想。

ナレーション自体が今回初めてで、とても緊張しました。(こういうコロナ禍の状況で)撮影から期間があいていたので、当時のことが薄れてはいたのですが、体にしっかり染みこんでいたので、少し間があき、逆によかったなと思いました。記憶を探りながらではなく、自分の中で眠っているものを呼び起こしていく感覚でした。時代劇独特の言葉やイントネーションも事前に調べはしたのですが、自分のクセがでてしまう瞬間があって、自分に対していらだちを覚えました。

――視聴者の皆様にメッセージをお願いします。

本当に“最初から最後まで”が見どころだと思います。“桶狭間の戦い”にフォーカスするのはすごくチャレンジな企画だと思いますが、その中で一人一人の人物や関係性がすごく凝縮されて描かれていて。日本人の熱くなれる魂、パッションみたいなものを感じられる作品だと思いますので、そこを感じながら是非、見てほしいと思います。