田中みな実が明かす、『最愛』の現場で感じた“戸惑い”「自分の芝居を見るのが怖いんです」【インタビュー】

怪しげな表情を見せる田中みな実“しおり” (C)TBS

「こんなことは初めてで戸惑っています」


――今回演じる橘しおりはどのようなキャラクターですか?

孤独なフリーのノンフィクションライターです。目的に向かって真っすぐで社会性を手放したような人。手段を選ばず、アウトロー。証拠を手に入れるためには、窓を割ってまで建物内に侵入するような危険な人物です。自分の命も惜しくないほどの覚悟で真田グループと梨央に迫ります。

――新井さんや塚原監督とは、どのようなことをお話されましたか?

衣装合わせのとき、お二人からは「田中みな実さんらしさを全面的に消してほしい」と言われました。後に、橘しおりという人物の過去、梨央に執着する理由を聞いて自分なりにすごく考えました。考えすぎて、役を固めすぎて、肩に力が入っていたことは自覚しています。

完全オリジナルの脚本で、先が読めない中で人物の心情を想像するのは容易ではありませんでした。しおりの出演シーンは本筋と離れたところで描かれることも多く、余白の部分をどう埋めればいいのか、ずいぶん頭を悩ませました。

撮影中、塚原さんが私の芝居を否定することはありませんでした。「そうです、そうです。いい感じです。方向性はそっちです。ただ、こうするともっとしおりの気持ちが伝わると思うんです」と寄り添いながら演出をするという感じで。具体的な指示というよりはヒントを与えてくれて、最終的には私に委ねるというやり方でした。

しかし、OKテイクが出ても「もっとこうできたんじゃないか…」と直後から後悔の連続で。その繰り返しです。完成した本編のデータを放送前にいただいても怖くて見られないことがほとんどで。自分の芝居を見るのが怖いんです。こんなことは初めてで戸惑っています。

塚原さん演出の回のDVDには、全体に向けたメッセージと、個人に宛てた手書きのメモが書かれていることがあって、それは、しおりを演じる上での大きなヒントになっています。

「最愛」より (C)TBS


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