<最愛>井浦新が語る、 “天才”と呼ばれる吉高由里子のすごみ「僕は彼女を不器用だと思っています」【インタビュー】

2021/12/09 18:01 配信

ドラマ インタビュー

「最愛」より(C)TBS

「洸平くんの中に流れているリズムが個性的」


――松下さん、吉高さんと共演してみた感想をお願いします。

これは本人たちに終わってから直接言いたいなと思っていたことなんですけど、まあいっかな。

――ありがとうございます! では、松下さんはいかがですか?

洸平くんに関しては、初めましてからのスタートでした。役柄的にも、それぞれ梨央への思い方や寄り添い方があるからぶつかっていくシーンもあったので、お互いどのような芝居ができるのかすごく楽しみにしていました。

1話から5話あたりまで大輝と加瀬が何かしらバチバチするシーンがあったので、僕は前のめりで「ここはバチバチしちゃっていいやつですよね!?」っていう感じで(笑)。どういう火花の散らし方ができるのか、それを洸平くんと楽しみながら出来ていったらいいなと思っていました。

初共演というのは一度きりなので、お互いに手の内が読めない「最愛」での洸平くんとのお芝居は、楽しみながらも大切にしていきたいと思っていたんです。一番面白いのが、僕の本の読み方と、洸平君の本の読み方、呼吸の仕方が全然違うんですよ。

ある程度、本を読みながらイメージを張り巡らせるんですけど、どれにも当てはまらないものを必ず本番に落としてくるんです。僕もあまり芝居を決めないので、本番の相手との反射のし合いが一番楽しいと思って演じているんですけど、きっと洸平くんの中に流れているリズムが個性的なんですよね。

バチバチの芝居をしていくと慣れてしまったりもするので、“そうならないぞ!”という自分へのプレッシャーを込めてバチバチフレッシュで“バチフレ”というワードを自分のためにSNSに残したんです。今8話までやってきていますが(※取材は12月上旬に実施)、大輝と加瀬の芝居の間合い、空気感がいまだにフレッシュなのは洸平くんのおかげだと思っています。

「最愛」より(C)TBS


――共演経験のある吉高さんはいかがでしょうか?

今回新井プロデューサーも現場のスタッフも吉高さんのことを「天才だ」と言うんです。でも、僕は吉高さんのことを天才だと思っていなくて、彼女は天才というよりも、そんな簡単に天才という一言でくくれるタイプじゃないんです。

それを言葉で形容するものがないから「天才」と言わざるを得ないんでしょうけど、僕は彼女を不器用だと思っています。

不器用だからこそ努力を惜しまないですし、積み重ねてきた努力やキャリアを生かしたとしても、根が不器用ですから簡単になんでもこなせるタイプじゃないと思うんです。でも、彼女は力で芝居しなくて、その場のリズムや、流れている空気感、そして彼女自身のリズムを最大限に自然に生かすことに長けている人なんじゃないかなと。

お芝居が自然に見えるのは、自然なお芝居をしているんじゃなくて、どんな時でも肩の力を抜いて、役と本人を同化させることができるんだと思うんです。それって誰でもできることじゃないですし、天才だからできるわけでもなくて、彼女が持っているものが素晴らしいからだと思います。

僕らも出会ってから10数年たっているという背景が梨央と加瀬に当てはめられて、だからこそ彼女のことを自然に見つめていられる、本当に僕にとって稀有な存在だなと思います。

吉高さんに“ありがたいな”と思ったことなんてなかったのに、今回自分の中でもびっくりするくらい彼女に対して尊敬の念というのが大きく膨れ上がりましたし、当時なんでもなかった僕ら二人が久しぶりにご一緒することで、すごく感じることが大きいんですよね。僕の中での彼女への敬意が広がっているんだなと感じます。

ということを終わってからサッと言って帰ろうかなと思っていたんですけど、皆さんに伝えてしまいました(笑)。

「最愛」より(C)TBS


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