毎週金曜夜11時から放送中の「全力!脱力タイムズ」(フジテレビ系)が、ことし4月で放送2年目を迎える。
そこで、レギュラー解説員として番組に出演する、生態学者の五箇公一氏に、これまでの放送の振り返りや番組の魅力などをあらためて聞いた。
――4月で放送3年目を迎えられ、どのようなお気持ちですか?
正直、驚いてます。出演を引き受けた時は、半年ぐらいで終ると思ってたんで…(笑)。しかも、丁度、開始半年後に天海祐希さんがゲストで出演されて、これはもう「最終回だ!」と思い込んで、皆さんにお土産まで用意してたんです(笑)。
その時はさすがにスタッフに「勝手に終わらせないでください! まだ続きますから」って言われてしまいました。それが、こんなふうに自分がレギュラーで残っていると思いもしなかったです。
――レギュラー解説員として出演されていますが、当初、学会の方々の間での評判はいかがでしたか?
学者ってなかなかここまでバラエティーで喋るってことがないので、感心されますよね。異色扱いというか…(笑)。あと、僕は環境省関連の研究所の職員なんですけど、番組で「国立環境研究所」というテロップがしっかり入るので、その点に関しては宣伝にもなるので悪いことでもないのかな、と。実際にお叱りは受けていません(笑)。
ただ、環境に絡めた生き物の話をしている時は大丈夫なんですが、一時、番組の方針で芸人さんにダメ出しをするだけという出番が何回かあったんです。その時はさすがに「生き物の話してないじゃないか!」とツッコまれるんじゃないかとヒヤヒヤとしました(笑)。
――本当にこの番組は常にいろんなチャレンジをしているという印象を受けます。
環境が変わると生き物はどんどん進化していきますけど、同じようにこの番組も通り一遍ではないですよね。常にそのときそのときを面白く、楽しくと考えていて、見ている人を飽きさせないように、うまく作られていると思いますね。まさに多様性ですよね!
――通り一遍ではないと言うと、五箇先生の虫のお話も、いつもウイットに富んでいて面白いです。ネタ切れを感じたことはないのですか?
生き物の生き方っていうのは、人間から見ると恐ろしく奇抜なもので、いくらでもネタはあるんです! 人間の世界で考えるとあり得ないことも、生き物の世界では常識だったりします。生き物の驚きと感動、面白さは際限がないので、ネタとしても苦労はしないです。
ただ、最近はスタッフさんもすごくリサーチ力を付けていて、僕が知らないようなネタを拾ってきたりもするんです。そうすると僕も「ちょっと論文読んで調べてみよう!」って勉強になることもあります(笑)。
確実にスタッフさんたちも成長されています。「よく分かってるじゃん!」って、ちょっと悔しくもなったりします(笑)。
――司会の有田(哲平)さんとの掛け合いも、もう慣れましたか?
僕のキャラをすごく尊重してくださいます。あと、有田さんのむちゃぶりにも何とか受け答えできているのが、この番組で僕が生き残れている理由かもしれません(笑)。
実は、相手からくる質問に対して瞬時にこちらも答えられるというレスポンス力は、学者の世界でも大事なんです。なので、そういう部分が番組にも生かされてるのかなって思います。
――他の解説員さんたちとももう長い付き合いになりますよね?
皆さん異分野なので、すごく勉強になっています。やっぱりこの番組は、純粋にためになる番組なんですよ(笑)。全然知らなかったことや、ディープなネタが出てくるんです! 普通に出演していても感心するほどで、番組中のリアクションは素なんです(笑)。
――もうこの番組は先生のライフワークのようなものですね。
この番組に出演するのはやっぱり楽しみですよ。有田さんも面白いですし、解説員の方々の専門性のあるお話も面白いですし。何より、ゲストが毎回豪華ですよね!
「え!この人出るの!?」って人が出演されたりして、「出ていいの!? 大丈夫ですか?」なんて思っちゃいます(笑)。
ローラさんが出た時は驚きましたね、あらためて番組の作り方が斬新というか、常に期待を上回ってくるというか、びっくりさせられます。
――では、最後にあらためてこの番組の魅力をお願いします。
金曜夜11時放送という、皆さんの疲れがたまった時間にこういう緩くて、ためになる番組というのはすごく癒やしになると思っています。出演している僕自身、いつも何が起きるか分からないというドキドキ感があるので、多分、番組を見ている方はもっと飽きないのではないかなと思います。
そして、この番組には次から次へと新しいアイデアが出てきて、マンネリにならないという工夫があります。これからもずっと刺激的な番組でいてほしいと思ってます!