「視聴者の身近な存在でいたい」演出の工夫
メンバーの自然体な空気感や、全国ネットでは見られないような素の表情も垣間見える「えびてん」だが、演出面ではどんな工夫をしているのだろうか。
「オーバーオールの衣装は、メンバーカラーを入れつつロケで動きやすいという理由です。また、自然体に近い彼らを見ていただきたいので、ロケではヘアメイクをしていません。農作業などをするときにメイクをしていたら現実感がないですし、元々かっこいいですから。そのあたりは、画面越しとはいえ少しでも視聴者の方に身近な存在でいたいと、メンバーも考えてくれています。たまに寝ぐせがついていることにお気づきのファンの方もいらっしゃるかもしれませんが (笑)、でもそんなところも『えびてん』ならではの一面として楽しんでいただけたら」
多忙なジャニーズアイドルゆえに、収録に5人全員が揃わないときもある。それでも「冠番組」として、1回の放送のどこかには必ず全員が出てくる構成を工夫しているという。
A.B.C-Zの魅力は「チームワーク」と「全力投球」
1年以上A.B.C-Zを間近で見てきた高津Pに、改めて彼らの魅力を尋ねた。
「日頃から番組で映っているあのままで、表裏がないですね。非常に仲の良いグループだなと思います。収録中も、その場面で自分がどういった立ち位置にいればいいのかをすぐに把握して、他のメンバーを立てることができる。また求められたときは、それぞれがしっかり前に出る。この10年で養われたチームワークだと思いますし、僕らが考える以上に努力をしてきたんだろうと思います。今求められていることに全力で取り組む姿勢が、あのチームワークにつながっている」
高津Pには、A.B.C-Zの「全力で取り組む」姿勢に感銘を受けた、印象深い収録の思い出がある。
「高校生と一緒にハンドベルに挑戦する回(2021年12月14日放送)は、その場では2時間くらいしか練習ができなくて、2日後に本番というスケジュールだったんです。普通だったら無理となりそうなところですが、メンバーは自分のパートの動画をスマホで撮影して、カメラの回っていない移動中やホテルに戻ってからも練習していました。さらに本番30分前のタイミングで、塚ちゃん(塚田)のベルの持ち手が折れるというハプニングが起きてしまったのに、楽譜が変わってもすぐに対応できていた。本当にプロ意識があるなと感動しました」
収録の中で感じるメンバーそれぞれの魅力についても聞いた。
「ごっち(五関晃一)は一見クールに見えて、すごくおもしろいことが好きですね。収録でも積極的にアイデアを出してくれます。あとは収録中、フミキュン(河合)と本当にずーっと喋ってます(笑)。フミキュンはとにかく判断能力が高くてマメ。大事なポイントを押さえるのがうまいと思います。とっつー(戸塚祥太)は優しい笑顔で、語らずともニコッとして皆を魅了していく。はっしー(橋本)はとにかく負けず嫌い。でも、そこが彼をどんどん成長させているんだろうなと思います。塚ちゃんは非常に熱い。番組の内容について直接連絡してきてくれることもあります」