砕けて散った“実朝”の心 柿澤勇人、孤独際立つ演技で「実朝くん」世界トレンド入り<鎌倉殿の13人>

2022/10/17 16:00 配信

ドラマ レビュー

実朝(柿澤勇人)から和歌を贈られる泰時(坂口健太郎)「鎌倉殿の13人」第39回より (C)NHK

小栗旬主演の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)の第39回「穏やかな一日」が10月16日に放送された。3代将軍・源実朝(柿澤勇人)が孤独と重圧にじわじわ侵食されていく様子が描かれ、視聴者からは共感、そして同情の声が多数。Twitterでは親しみを込めた「実朝くん」が世界トレンド入りを果たすなど、孤独な若き“鎌倉殿”に注目が集まった。(以下、ネタバレが含まれます)

「危ない存在」義時との関係


三谷幸喜が脚本を務める「鎌倉殿の13人」は、源頼朝にすべてを学び、武士の世を盤石にした男・北条義時(小栗)と、彼を中心に鎌倉幕府将軍“鎌倉殿”を支えた13人の家臣団の生きざまを描く物語。

第39回では、天然痘を克服し政務に復帰した実朝の姿が描かれた。気分新たに政務に打ち込もうと張り切る実朝。だが、すでに御家人たちの実質的な頂点に立っていた義時からの圧力は激しさを増すばかり。反対はおろか、意見を言うことすらままならない。

実朝役の柿澤は、義時に対する実朝の心境についてインタビューで「敵意とはまた少し違う、危ない存在という意識はあったと思う」と語っているが、小さく肩を落とし「私は、いてもいなくても同じなのではないか」とつぶやく姿は、武士を束ねる将軍とは思えないほどに寂しい。

実朝を悩ませた、切ない秘密


それに加え、実朝の哀しい私生活についても踏み込んで描かれた。

京から後鳥羽上皇のいとこ・千世(加藤小夏)を正室に迎えたが、2人の間にはなかなか子供ができない。周囲の焦りを感じ取った千世が涙ながらに「私に、そのお役目がかなわぬのなら、ぜひ側室を」と申し出ると、実朝は覚悟を決めて打ち明けた。

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