――今作の第1報時点で、新井プロデューサーと塚原監督のタッグということでSNSなどでは期待の声も多く上がっていました。どのようにして題材を決めたのでしょうか?
今回、私は初めての日曜劇場、塚原監督は3本目なのですが、日曜劇場って視聴者の年齢層が広いじゃないですか。どうやって幅広い年代の方に見ていただくか考える中で、“野球”というジャンルが思い浮かびました。
今年はWBCもあったので盛り上がっているものの、細かいルールまでは分からない方も多いと思うので、ただただ野球を見せるだけでなく、視聴者の方が応援したくなるように描いていかなければならないというのが難しいなと思いました。
私はまだ野球に詳しい方なのですが、監督は野球が全く分からないので、現場ではキャストたちに「どうすればいいと思う?」「こういうときどうするの?」と聞きながら、話し合って撮影をしています。
――幅広い層が楽しめるということは、弱小野球部が強くなっていくという“王道の日曜劇場”が見られるのでしょうか?
日曜劇場で野球をテーマにしたドラマを作るのであれば、ある日学校に先生がやってきて甲子園を目指す、というストーリーが“普通”だと思うのですが、それだけじゃつまらないじゃないですか。
第2話以降から南雲先生側のストーリーも大きく動きだし、塚原監督が得意なサスペンスの要素も加わりますので、王道の日曜劇場とは少し違うと思います。ちょっとした考察じゃないですけど、何を隠しているのかを考えながら第1話を見ていただけるとうれしいです。
――甲子園を目指す生徒たちだけでなく、大人たちの物語でもあるのですね。
そうですね、黒木さん演じる山住先生がなぜ横浜から三重に来たのか、小日向さん演じる犬塚さんはなぜグラウンドを建てたりするのか。大人たちが抱える問題もしっかりと描かれますので、楽しみにしていてください。
――小日向さん演じる犬塚さんがとにかく魅力的で印象に残っています。
小日向さんをキャスティングした時点で、地主でお金持ちという設定は考えていたのですが、どういうキャラクターにしようか悩んでいまして。そんな中、「小日向さんが七変化する舞台があるらしい!」と聞いて、脚本の奥寺さんと舞台を見に行ったときに生まれたのが今回のキャラクターなんです。
役のせいなのか、小日向さん普段から早口なんですよ(笑)。普通のせりふも笑えますし、第2話で登場する生瀬さんとの掛け合いも面白いです。
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